いつの時代でも、おいしいお菓子は人々を魅了し、その秘密を知りたくなります。
世界でたった5人の子どもだけ、おいしいお菓子の秘密を知ることができたら…。
『チャーリーとチョコレート工場』は、おいしいお菓子にあふれたファンタジーの世界へいざないます。
映画『チャーリーとチョコレート工場』の概要
- 劇場公開:2005年9月10日
- 上映時間:115分
- 原作:ロアルド・ダール『チョコレート工場の秘密』
- 監督:ティム・バートン
実はこの作品は1971年に一度映画化されていますが、当時の技術では再現が難しい部分もあったようです。
主演のジョニー・デップは、1990年公開『シザーハンズ』より数々のヒット作でティム・バートン監督と組んでいます。2010年公開の『アリス・イン・ワンダーランド』でもジョニー・デップが主演を務めています。
「チャーリーとチョコレート工場」の出演キャスト
ジョニー・デップ(ウィリー・ウォンカ 役)
『パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズ』で有名ですね。ティム・バートン監督と長年タッグを組んでいます。最近では、ハリーポッターシリーズの『ファンタスティックビースト』でグリンデルバルトを演じています。
フレディ・ハイモア(チャーリー 役)
2004年公開の『ネバーランド』でジョニー・デップと共演し、彼の推薦によりこの映画にも出演。俳優、声優で活躍しており、2009年公開『ATOM』(手塚治虫 作)にアトムの声で出演しています。
デイビッド・ケリー(ジョーおじいちゃん 役)
アイルランド出身で、数々のドラマや映画に出演。「おじいちゃん」役で演じることが多く、2012年に亡くなられました。彼のサイトには、地元のファンから多くの追悼コメントが送られたそうです。
(参考:https://www.cinematoday.jp/news/N0039395)
『チャーリーとチョコレート工場』のストーリー
家は傾き、食事はキャベツのスープ、貧乏な家族で生活しているチャーリー。チャーリーが住む町には、世界で人気のお菓子会社「ウォンカ工場」があります。ある日ウォンカ工場は、次のような貼り紙を出しました。
「チョコレートの中に5枚だけ金色のチケットを入れた。そのチケットを引き当てた子どもはウォンカ工場に入る権利を与えられ、さらにその中の1人は特別な賞をもらえるでしょう。」
世界中でチケットの争奪が始まりました。チャーリーも工場に行きたいのですが、チョコレートを買うだけでも精一杯の家計。チャーリーがあきらめかけた所、偶然にも金色のチケットが彼の元に。
指定された日に工場に集まった5人の子どもと親たち。ウォンカ工場では何が待ち構えているのでしょうか?そして「特別な賞」とは一体何でしょうか?
『チョコレート工場の秘密』と『チャーリーとチョコレート工場』
『チャーリーとチョコレート工場』は、1964年ロアルド・ダールの『チョコレート工場の秘密』を元に作られています。今回映画を見たあと、原作を
- チャーリーはチョコレートを、ジョーおじいちゃんのへそくりと拾ったお金で購入します。しかし、原作ではジョーおじいちゃんのへそくりは出てきません。
- 映画ではウォンカの父親が彼の極端な性格を作る原因として描かれていますが、原作に登場しません。
- 原作、映画どちらともチャーリーは、ウォンカから特別な賞をもらいます。しかし、映画ではウォンカから示された条件を聞いて、賞を一度断っているのです。
個人的には家族愛をテーマにしている映画の方が好きです。映画を見てから原作を読んでみると、新しい発見もあるので面白いですね!
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ウィリー・ウォンカの人物像
ウィリー・ウォンカは少年らしさを持つ反面、冷酷な一面も持ち合わせています。5人の子どもの内、チャーリー以外は、ウォンカがやめるように忠告したのに、自身の欲望に負けて行動したためにひどい目にあいました。
普通子どもが危険なことをしたら、大人はやめるよう止めにいきます。しかし、ウォンカは子どもがひどい目に遭おうとお構いなし。お仕置きと恐ろしい笑顔を浮かべて、親には子どもの不始末を取るように仕向けます。
ウォンカがこのような性格になった原因として、彼の幼少期の父親との衝突があります。父親とのケンカが原因で家出をし、「家族」に嫌悪感を抱いて成長していました。
チャーリーの人物像
絵に描いたような貧乏生活をしているチャーリーですが、非常に家族思いの一面があちこちに見られます。
- 誕生日プレゼントのチョコレートを一人で食べず、家族全員に配る。
- 金色のチケットを引き当てた後、大人にお金で買い取るといわれて、工場へ行くことを一度あきらめる。
- ウォンカから特別な賞をもらえる代わりに「ある条件」を提示されて断る※結末に触れてしまうので内容は伏せますが、家族にかかわる条件です
映画では、家族を捨てて生きてきたウォンカと、家族を第一に考えるチャーリーが対比されています。
ウォンカ工場の面白さ
工場は普通ロボットがたくさん動いている場所を想像しますよね。しかし、ウォンカ工場は違います。普通のお菓子工場にはない楽しい魅力がたくさん!面白い所はたくさんあるのですが、3つに絞って伝えます!
工場の面白い所①:お菓子で出来ている自然がある!
ウォンカが最初に案内したのは、チョコレート室でした。チョコレートの滝や、花や草がすべてお菓子で食べられる所です。子どもたちは、大興奮してはしゃぎます。そんな場所があったらだれでも興奮しますよね。
工場の面白い所②:従業員が面白い!
ウォンカは過去に産業スパイに秘密のレシピを盗み出されたことが原因で、従業員を全員解雇し工場を閉鎖しました。
彼が旅をしている時に、カカオ豆を貴重なものとして奉り、厳しい環境で暮らす小人ウンパルンパと出会います。ウォンカは給料をカカオ豆で払うことを条件に、彼らを雇います。全員顔が同じで少し気味が悪いですが。
また、ナッツの殻をむく作業では専用の訓練されたリスが登場します。リスはナッツの中身が無いと捨てるよう訓練されていますが、これが災いし子どもの1人が、脳みそに何もないと判断され焼却炉に落とされます。
工場の面白い所③:お菓子工場なのに…?
工場には、お菓子工場とは思えない施設がなぜが登場しています。
- 人形の病院:ベッドに人形が寝かされて、白衣を着たウンパルンパがいる
- テレビルーム:チョコレートを画面内に飛ばす実験をしている
- ゲームスペース:ウンパルンパがシューティングゲームをしている
個人的に一番面白いのがどこでも移動でき、ボタンが大量にあるガラスのエレベーターですね。ガラスでできているため、ドアがどこにあるのかわからずウォンカが何回か頭をぶつけるシーンにクスっとなります。
ウンパルンパの歌にこめられた皮肉
映画では工場の従業員である小人の「ウンパルンパ」があちこちに登場します。
子どもが1人ずつ退場するたびに、わかっていたかのようにウンパルンパのミュージカルが流れます。ただ、このミュージカルのテーマは退場させられる子どもへの皮肉。
歌詞の内容は子どもへの悪口ですが、不思議と歌が明るいせいかあまり悪く聞こえないのです。
特に印象的だったのは、「娘を甘やかしたのはだれ?」と父親に責任をとって焼却炉に入るよう仕向けているシーンです。娘をわがままに育てた親が悪いと責めているようで、怖かったですね。
『チャーリーとチョコレート工場』の評価・コメント
映画への評価は、主なサイトを確認したところ星5つのうち、3以上の評価でした。
- Amazon:4.3
- 映画.com:3.6
- Yahoo!:3.57
「異常なファンタジーの世界にはまりました!」「ブラックジョークがひどい」など両極端なコメントが見受けられます。
また、「小人のウンパ・ルンパが全員同じ顔で怖い」というコメントもあり、私もウンパルンパの顔が同じだとわかった瞬間は、びっくりして「ファンタジーとはいえ気味が悪いな…」と思いました。
この作品は、ティム・バートン監督の独特な世界観のとらえ方で見方が変わります。私はティム・バートン作品を見るのは初めてだったので、内容も含め新鮮で面白く見ることが出来ました。
『チャーリーとチョコレート工場』の視聴方法
2005年公開のため映画館で視聴は出来ませんが、レンタルまたはAmazonで視聴可能です。Amazonプライムでは199円で視聴できます。
子どもには楽しいファンタジー、大人には子どもへの教育を見直すよう教訓を伝えているブラックユーモアがあるメッセージ性の強い作品です。
私は原作者のロアルド・ダールを映画を見るまで、全く知りませんでした。今回ロアルド・ダールのことを調べましたが、一番驚いたのが宮崎駿監督が彼のファンで、ジブリ作品に彼のエピソードを入れているそうです!
有名な監督も惹きつけるロアルド・ダールの作品を映画でも本でも体験してはいかがでしょうか?