『007 シリーズ』といえば、世界中で大人気のスパイアクション映画の傑作ですが、実は観たことがないという方も多いのではないでしょうか。
「興味はあるけど、シリーズが多くて何から観たら良いかわからない…」そんなあなたは、2006年に公開された『007 カジノ・ロワイヤル』を最初に視聴することをオススメします。
なぜならこの映画は『007 シリーズ』の原点。主人公のジェームズ・ボンドが007になったばかりの頃のお話だからです。
ということで、今回は『007 カジノロワイヤル』の名シーンやキャストを紹介していきますよ!※一部ネタバレを含みます
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そもそも007シリーズってなに?
『007 シリーズ』の原作は小説で、イアン・フレミングというイギリス出身の作家が1953年から12年の間に執筆したスパイ小説シリーズが原点となっています。
『007』は“ダブル・オー・セブン”と読み、シリーズに一貫して登場する主人公、ジェームズ・ボンドがスパイ任務遂行中のコードネームとして使用しています。
小説『007シリーズ』は1953年から1965年までの間に長編12本、短編10本が発表され、世界中で大ヒットするベストセラーに。
スパイ小説ブームの火付け役となり、影響を受けた作家の手により派生作品が続々と生み出されていきました。
カジノ・ロワイヤル…それは“007”始まりの物語。
今回紹介する『007 カジノ・ロワイヤル』は映画版『007 シリーズ』の21作目ですが、小説は1953年に発売されたシリーズ最初の作品です。
同小説は1954年に単発テレビドラマ化、1967年にパロディ映画化されていましたが、原作に忠実な映画は長らく制作されていませんでした。
しかし、2002年公開の『007 ダイ・アナザー・デイ』がシリーズ40周年、通算20作目という節目を迎えたことがきっかけで、次の作品は『007 カジノ・ロワイヤル』に決定します。
『ダイ・アナザー・デイ』で節目を迎えたことで、製作陣は『007 シリーズ』をリニューアルしたかったようです。
キャストや設定を一新させたのは『カジノ・ロワイヤル』で新たなる“007”が始まることを演出したかったのでしょうね。
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『007 カジノ・ロワイヤル』の概要とあらすじ
- 公開日:2006年11月16日(イギリス)/2006年11月17日(アメリカ)/2006年12月1日(日本)
- 主演:ダニエル・クレイグ
- 監督:マーティン・キャンベル
- 脚本:ポール・ハギス/ニール・パーヴィス/ロバート・ウェイド
- 配給:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
- ジャンル:スパイアクション
- 上映時間:144分
主人公のジェームズ・ボンドは、自身が所属する組織『MI6』の裏切り者を始末する任務を完遂し、任務中の殺害を許可されるコードネーム『007』を得ました。
007となってから初めての仕事は、爆弾魔の監視。しかし監視に気づいた爆弾魔は必死に逃げます。激しい逃走劇の末、ボンドは爆弾魔を殺害してしまいました。
爆弾魔が遺した手がかりを元に、マイアミ国際空港で新型旅客機の爆破計画があることを突き止めたボンドは、空港へ向かい奮闘の末に計画を阻止します。
爆破計画の裏にいた男、ル・シッフルはこの計画で多額の金を得るつもりでしたが、逆に借金を抱えることに。損失を取り返す為モンテネグロのカジノに参加し、そこでボンドは彼と大勝負を始めるのでした。
ちなみに映画のタイトル『カジノ・ロワイヤル』とはジェームズ・ボンドとル・シッフルが勝負するカジノ店の名前です。
『007 カジノ・ロワイヤル』のメインキャスト
続いては『007 カジノ・ロワイヤル』メインキャスト5名の紹介です。『007 シリーズ』は60年代から続く長寿作品なので、シリーズに共通して登場する人物は代々受け継がれています。
ジェームズ・ボンド(演:ダニエル・クレイグ)
6代目ジェームズ・ボンドとなったダニエル・クレイグですが、シリーズ初の金髪ボンドということで今までのイメージを壊された従来のファンから、心無い批判の声が挙がってしまいます。
しかし、高い演技力で過激なアクションシーンを演じきり、アンチを黙らせることに成功。その後イギリスのタブロイド紙『ザ・サン』で「ショーン・コネリー以来最高のボンド」と評されるまでになりました。
ヴェスパー・リンド(演:エヴァ・グリーン)
本作のボンドガール(ヒロイン)、ヴェスパー・リンドはマネーロンダリング対策組織の一員で、カジノに参戦するボンドの資金提供を担当します。
演じたエヴァ・グリーンはフランス出身の女優で、主な出演作品は『キングダム・オブ・ヘブン(2005)』『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(2016)』などです。
ル・シッフル(演:マッツ・ミケルセン)
本作の悪役、ル・シッフルは謎の組織『クワンタム』の会計責任者で、犯罪組織の金を運用して拡大させる仕事をしています。幼い頃にガラス片で目を負傷してから血の涙を流すようになりました。
演じたのは、デンマーク出身の俳優マッツ・ミケルセン。代表作に『偽りなき者(2012)』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(2016)』などがあります。
ルネ・マティス(演:ジャンカルロ・ジャンニーニ)
ジェームズ・ボンドの盟友でMI6のベテランエージェントです。ボンドに協力して情報提供や死体の処理などをこなします。彼の存在が物語に良いアクセントを生み出しています。
そんな名脇役ルネ・マティスはイタリア出身の俳優、ジャンカルロ・ジャンニーニが演じました。過去に『イノセント(1975)』『ハンニバル(2001)』などに出演しています。
M(演:ジュディ・デンチ)
ジェームズ・ボンドの上司で、優秀な反面勝手な行動をしがちなボンドを叱る場面も多い厳格な人です。
Mもシリーズに共通する登場人物の1人で、ジュディ・デンチは1995年公開の『007 ゴールデン・アイ』から担当することになった3代目「M」です。
彼女はイギリス王室から勲章を授与されるほどの大女優で、2020年6月現在85歳になっても未だ一線級で活躍しています。
次の項目では『007 カジノ・ロワイヤル』の名シーンを3つ、一部ネタバレありで紹介していきますよ!結末に触れるネタバレはございませんので、安心してご覧ください!
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筆者オススメ!興奮必至の名シーンを3選
まるでSASUKE!町中を駆け抜けるパルクールシーン
マダガスカルの小さな町で爆弾魔を監視していたジェームズ・ボンド。しかしあまりに露骨な監視にあっさり気づかれてしまい爆弾魔が逃げ出します。
町中を駆け回って建設中のビルや高所作業用重機の上に登ったり、忍者のように軽やかな身のこなしで繰り広げるボンドと爆弾魔の逃走劇は序盤屈指の名シーンです。
縦横無尽に町中を駆け抜ける様はTBSの人気番組・SASUKEを彷彿とさせ、特に高所作業用重機の上に登るシーンはまるでSASUKEのファイナルステージのようでした。
飛行機爆破を阻止!空港で繰り広げるギリギリアクション
殺害した爆弾魔が遺した携帯から、マイアミ国際空港で新型旅客機の爆破テロ計画を突き止めたジェームズ・ボンド。
空港にいた爆弾魔の仲間であるテロリストとやるかやられるかの攻防を繰り広げます。
飛行場でテロリストとボンドが爆弾を巡る、ギリギリのアクションが2つ目の名シーンです。「ああもうダメだ!」と目を覆いたくなるシーンがいっぱいでハラハラさせられますよ。
この映画の肝!ポーカーで釣り上がる掛け金、そして心理戦
この映画のタイトルにもなっている『カジノ・ロワイヤル』でのジェームズ・ボンドとル・シッフルのクールで熱いポーカー勝負が3つ目の名シーンです。
ル・シッフルに金が渡ってテロリストの活動資金にされるのを阻止したいボンドと、借金が返せないと命がないル・シッフル。お互いに譲れないギャンブルは掛け金がどんどん釣りあがっていきます。
ボンドはル・シッフルの癖を見抜いて勝つつもりでしたが、それはル・シッフルが蒔いた罠(ブラフ)でボンドはそれに引っかかり、途中大きく負けてしまいます。
空港やパルクールシーンが『動』による興奮なら、このシーンは『静』な興奮シーンですね。
映画に登場するギャンブル『ポーカー』を知ればもっと楽しめる
3つ目の興奮シーンとして取り上げたギャンブル『ポーカー』ですが、どんなゲームなのかよく知らないという方も多いのではないでしょうか?
劇中ではポーカーの専門用語が飛び交うので、何も知らずに見ると雰囲気を楽しむだけになってしまいます。
雰囲気だけでも充分楽しむことは出来ます。しかしポーカーのルールをある程度知っておけば状況の把握がしやすくなり、より楽しむことが出来ますよ。
以下に、簡単なルール説明と専門用語の解説をまとめました。ぜひ参考にしてください。ちなみに作中のポーカーは『テキサス・ホールデン』というルールで行われています。
- 5枚のトランプの組み合わせで勝負するゲーム
- 組み合わせによって完成する役、数字の大きさ、スート(柄)で勝ち負けを決める
- 数字の強さは2が最弱で数字が大きくなると強くなりAが最強
- スート(柄)の強さは♠️>♡>♢>♣︎の順
- ジョーカーは使用しない
- ディーラー(ゲームの管理者)は5枚のカードを配置し、参加者に2枚のカードを配る
- 参加者は2枚のカードと配置された5枚のカードから掛け金を決める
- 全員の掛け金が決まったら勝負開始。最も強い組み合わせを作った参加者が勝者
- ノーペア…組み合わせが成立しなかった状態
- ワンペア…同じ数字のカードを2枚揃える
- ツーペア…ワンペアを2組み作る
- スリーカード…同じ数字のカードを3枚揃える
- ストレート…2〜6のように連続した数字で5枚揃える
- フラッシュ…5枚全て同じスート(柄)
- フルハウス…ワンペア+スリーカード
- フォーカード…同じ数字のカードを4枚揃える
- ストレートフラッシュ…ストレート+フラッシュ
- ロイヤルストレートフラッシュ…ストレートフラッシュを10〜Aの組み合わせで揃える
- チップ…持ち金をコイン型の板に置き換えたもの
- ベット…掛け金
- レイズ…掛け金の上乗せ
- コール…前に賭けた人と同額を賭けること
- フォールド…勝負を降りること。それまでの掛け金を失う
- オールイン…手持ちのチップ全て賭けること
- ショーダウン…手札を公開して決着をつけること
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『カジノ・ロワイヤル』の続編、慰めの報酬も一緒にどうぞ
『カジノ・ロワイヤル』と合わせて観たいのが、2008年公開の続編『007 慰めの報酬』です。
『慰めの報酬』は『カジノ・ロワイヤル』のラストシーンから繋がる形で物語が始まります。なので『慰めの報酬』だけ観ると最初からクライマックスなので、展開を理解するのが困難に感じるでしょう。
なによりこの2作品でジェームズ・ボンドの始まりの物語は完結するので、ぜひ『カジノ・ロワイヤル』視聴直後に『慰めの報酬』を観ることをオススメします。
007 カジノ・ロワイヤルを観た人の評価・感想
『007 カジノ・ロワイヤル』の興行収入は世界累計で6億ドル(約700億円)近くにもなり、当時のシリーズ最高記録を樹立しました。(後に2012年公開の『007 スカイフォール』が記録を更新)
Filmarksでは3.9、Yahoo!映画では4.04、映画.comでは3.8(いずれも最大5)と大変高評価。この映画を007シリーズの最高傑作とする声も多いです。
2時間半の長尺でももう少し観たいと思わせるテンポの良さで飽きませんでした。
やっぱりジェームズボンドの紳士な態度には常に惹かれてしまいます
ボンド。ジェームズボンドで終わる一幕はシリーズを大事にしている感じがあってとても気に入りました
(引用:https://filmarks.com/movies/3441?page=3)
自分は007シリーズ暦は浅いので、あまり語らないが、ファンからすれば、この作品の007は原作に近いボンド像だそう。より現実的な策略、より肉体的な戦闘で確実に新たなファンは増えたと思う。戦闘シーンはかなりレベルアップし、もはやアクション映画のトップレベル。浮世離れした007から脱却し、今の映画界の流れであるリアリティを突き詰めてリメイクした作品として成功していると思う。
ボンドが007になりたてということで、攻撃的なやんちゃな性格、まだ心から愛に飲み込まれてしまう事などがよく表現されていた。
ただ、前作に比べ現実路線なので夢が膨らむガジェットがまったく出てこず少し寂しい。
(引用:https://movies.yahoo.co.jp/movie/325032/review/2546/?c=18&sort=lrf)
やっぱり007は面白い!スパイ映画は技術の上がった近代の方が面白いですね、アクションの精度が上がるとみやすくて痛快なものになります。
クラシカルな格式高いシリーズの風格と近代的なニュアンスが絶妙でめちゃくちゃよかったです!!
(引用:https://eiga.com/movie/33783/review/)
ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドを評価する声が多数挙がっていますね。映像技術の進化でアクションもよりリアリティかつ迫力があるものに仕上がっているのも高評価に繋がったようです。
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筆者の感想
原作である1950年代リスペクトなのか冒頭のモノクロシーンや、ボンドとヴェスパーが仲良くなっていくまでの過程が丁寧に作られているところ等、細かいところで製作者のこだわりを感じる作品でした。
上映時間が144分と2時間半近くにもなるかなりの大作ですが、物語の緩急のつけ方がうまく、最後まで飽きさせない作りとなっています。
スパイ映画のロマンと、現代の映像技術によるド派手なアクションが見事に融合した快作ですね。
007 カジノ・ロワイヤルのまとめ
2020年6月現在『007 カジノ・ロワイヤル』はU-NEXTやTSUTAYA TV、Amazon Prime Videoなどで単品レンタルできます。
レンタルビデオ店で借りるのも良いですが、配信サービスを利用すれば様々な作品が手軽に観られるので、オススメですよ!
レンタルされる場合はぜひ『007 慰めの報酬』も一緒に借りてみてくださいね。連続で観ればあなたもきっと『007』の世界にどっぷりとハマること間違いなしですよ。
ということで最後まで読んでいただきありがとうございました。この記事を読んで『007 カジノ・ロワイヤル』に興味を持ち、『007 シリーズ』を好きになってもらえると嬉しいです。
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