2019年末公開予定の映画『キャッツ』に出演予定のベテラン女優、ジュディ・デンチ。
イギリスを代表する大女優で、かなり昔から活躍されているのは知っているけど経歴を詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな大物、ジュディ・デンチの過去や出演作品についてまとめてみました。
(トップ画像出典:http://wall.kabegami.com/editorial/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%81?page=5)
ジュディ・デンチのプロフィール
- 本名:ジュディス・オリビア・デンチ
- 生年月日:1934年12月9日(2019年現在、84歳)
- 出生地:イギリスのイングランド、ヨークシャー州ヨーク
- 活動期間:1957年〜
- 職業:女優
- デビュー作:舞台『ハムレット』(1957年公演)
ジュディ・デンチの女優歴は2019年時点でなんと62年にもなります。ちなみに日本の黒柳徹子のデビューは1953年で芸歴は2019年時点で66年になり、少しだけ先輩になるようです。
半世紀を余裕で超えるほどの人生を女優として歩んで来た彼女。次の項目では女優を志したルーツについて紹介したいと思います。
兄・ジェフリーの影響で演技の道へ
ジュディ・デンチの夢は元々セット・デザイナーになることでした。しかし、後に俳優となる兄のジェフリーがロンドンにある演劇学校の名門に入学したことをきっかけに、自分も役者の道を進み始めます。
学校の名前は“セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ”で、ジュディ・デンチは優秀な成績を残して卒業したそうです。同学校の1年先輩に女優のワンダ・ヴェンサムがいました。
ジュディ・デンチの家族は全員役者
ジュディ・デンチの両親は共に演劇に関わり、前述の通り兄は俳優、結婚相手は俳優のマイケル・ウィリアムズ、娘のタラも女優になるなど、彼女は役者に囲まれた世界で生きてきました。
そんな環境にずっといたからこそジュディ・デンチの演技は洗練され続け、60年以上も色あせることなく役者として活躍し続けているのだと思います。
ちなみに配偶者のマイケル・ウィリアムズとは1971年に結婚してから2001年までの30年間、ウィリアムズが亡くなるまでずっと一緒にいました。一途な愛の深さが伝わりますね。
ジュディ・デンチの知名度を上げた代表作『007』シリーズ
1957年に公演された演劇『ハムレット』で舞台デビューを飾ったジュディ・デンチ。
しばらくは主にイギリスのドラマや舞台で活動していましたが、1985年に映画『ウェザビー』に出演して以降劇場映画での露出が増えます。
特に1995年公開の『007 ゴールデンアイ』で3代目「M」を担当し2012年までの17年間で7作品に出演し続け「Mといえばジュディ・デンチ」を強く印象付け、知名度を世界的なものにしました。
ヴィクトリア女王役を2度演じる
1997年公開の映画『Queen Victoria 至上の恋』でイギリスの女王・ヴィクトリアを演じて多数の評論家から好評を博し、アカデミー賞にゴールデングローブ賞など、7つの賞を受賞しました。
それから20年後の2017年『ヴィクトリア女王 最期の秘密』という映画で再びヴィクトリア女王を演じることになり、もう一度女王役が出来る喜びを語りました。当時公開された特別映像をご覧ください。
功績を讃えてイギリス王室から『デイム』の称号を与えられる
イギリス王室はジュディ・デンチの役者としての功績を讃えて、1988年に『デイム』の称号を与えました。
『デイム(Dame)』とはイギリスの殊勲制度において男性でいう『ナイト(Knight)』と同じ位に相当する最上級の称号になります。イギリスを代表する大女優で、国の誇りというわけですね。
でも彼女としては女優として一途に働いていただけなのに、まさか国から最高の栄誉が得られるとは、想像もしていなかったのではないでしょうか。
その他にも多数の輝かしい賞を受賞したジュディ・デンチ
ジュディ・デンチは60年を超えるキャリアの中で栄誉ある賞を何度も受賞しています。
- 1965年『Four in the Morning』英国アカデミー賞・新人賞
- 1986年『眺めのいい部屋』英国アカデミー賞・助演女優賞
- 1988年『ハンドフル・オブ・ダスト』英国アカデミー賞・助演女優賞
- 1997年『Queen Victoria 至上の恋』ゴールデングローブ賞&英国アカデミー賞・主演女優賞
- 1998年『恋におちたシェイクスピア』アカデミー賞&英国アカデミー賞・助演女優賞
- 1999年『Amy’s View』トニー賞・演劇主演女優賞
- 2000年『ザ・ブロンド爆弾 最後のバラ』ゴールデングローブ賞・主演女優賞
- 2001年『アイリス』英国アカデミー賞・主演女優賞
- 2016年『冬物語』ローレンス・オリヴィエ賞・最優秀助演女優賞
この他にも『高松宮殿下記念世界文化賞』(財団法人日本美術協会が設立した文化・芸術分野版ノーベル賞)の演劇・映像部門を2011年に受賞したり、ローレンス・オリヴィエ賞を7度、トニー賞を1度受賞しました。
重い目の病気にかかり、台本が読めなくなってしまう
加齢の影響でジュディ・デンチの目は『加齢黄斑変性』という網膜の病気にかかり、2012年2月に「台本が読めなくなった」と告白しました。
この『加齢黄斑変性』は網膜の真ん中にある黄斑という部位に障害が生じ、見ようとするものが見辛くなり、最悪の場合は失明してしまう可能性もある恐ろしい病で、近年まで治療法がありませんでした。
最近になって薬物やレーザー、手術などによる治療方法が開発されてきており、ジュディ・デンチも視力回復に向けて専門的治療を受けているようです。
しかし、目が見えなくなったことで誰かが側で台本を読んでくれる等「たくさんの人に支えられていることに気づけた」と感謝しているようです。この余裕ぶりはさすが大物女優と言うべきですね。
ジュディ・デンチが出演した映画作品一覧
ジュディ・デンチは本当に多数の舞台・映画に出演しており、全て紹介するとさすがに多すぎるので、彼女が主役級の活躍をしている映画作品をピックアップして紹介します。
- 1995〜2015年『007シリーズ』
- 1997年『Queen Victoria 至上の恋』
- 2000年『ザ・ブロンド爆弾 最後のばら』
- 2001年『アイリス』
- 2004年『リディック』
- 2004年『ラヴェンダーの咲く庭で』
- 2005年『ヘンダーソン夫人の贈り物』
- 2006年『あるスキャンダルの覚え書き』
- 2012年『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』
- 2013年『あなたを抱きしめる日まで』
- 2015年『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』
- 2017年『ヴィクトリア女王 最期の秘密』
『007シリーズ』と『リディック』以外は全て主役を演じています。紹介している中で最も古い作品『007 ゴールデンアイ』公開時点で既に61歳というのはかなり驚きですね!
還暦を迎えてからこれだけの数で主役を演じ、助演・脇役を含めると両手両足の指を全部合わせても足りないほど多数の作品に出演したジュディ・デンチはまさに『生涯女優』です。
大女優ジュディ・デンチについての情報まとめ
60年以上も活躍し続けた結果、イギリス王家から最上級の称号までいただいたジュディ・デンチ。
目の病気を抱えながらもなお表舞台に拘り続けるほど演技への情熱は熱く、その一途な想いがあったからこそ現在の彼女がいるとも言えます。
その芯の強い演技を末長く見ていたいものですね。ということで今回はジュディ・デンチについて紹介させていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。彼女の出演作品を見て、貫禄ある演技をご堪能ください。