2012年に公開された映画『BRAVE HEARTS 海猿』は『海猿シリーズ』のラストを飾る壮大な映画です。
今回は『BRAVE HEARTS 海猿』『海猿シリーズ』を見たことがない方の為に、シリーズの基礎知識から始まり、『BRAVE HEARTS 海猿』のあらすじや登場人物、見所を解説していきます!
(トップ画像出典:http://eiga-chirashi.jp/view_item.php?titleid=6978)
『海猿シリーズ』を知らない人へ
『海猿シリーズ』は2004年から2012年の間に1本の連続テレビドラマ、4本の長編映画が製作された、2000年代を代表する作品です。
原作は漫画で、漫画家の佐藤秀峰氏が週刊ヤングサンデーで1999〜2001年に連載していた同名作品を元に映画が製作されています。
2002年にNHKで実写ドラマが放送されましたが、今回紹介する『海猿シリーズ』とはキャストも設定も異なる別作品です。
今回紹介する『BRAVE HEARTS 海猿』はシリーズ4本目、つまり最終作となります。
『BRAVE HEARTS 海猿』の概要
- 公開日:2012年7月13日
- 主演:伊藤英明
- 監督:羽住英一郎
- 脚本:福田靖
- 製作:フジテレビジョン/ROBOT/ポニーキャニオン他
- 配給:東宝
- 上映時間:116分
前作『THE LAST MESSAGE 海猿』で完結させる予定でしたが、まだやり残していることがあったので製作陣が再集結。原作でも最後のエピソードになる航空機の海上着水事故のお話を映画化しました。
『BRAVE HEARTS 海猿』のあらすじ
映画のあらすじ世界最大級の天然ガスプラント「レガリア」の爆発事故から2年。仙崎は自ら志願し、海難救助のエキスパートであり最も危険な事案に従事する「特殊救難隊」で後輩の吉岡と共に海難現場の最前線にいた。嶋副隊長の指導の下、日々苛烈な任務に就いていた二人だが充実した毎日を送っていた。仙崎の妻・環菜は2人目の子を身ごもり、吉岡にはキャビンアテンダントの美香という恋人が出来ていたのだ。そんな折、美香の搭乗するジャンボ旅客機・G-WING206便が羽田空港を目指し飛行中、エンジンが炎上し飛行が困難な状況に陥る。様々な救助案が検討される中、総合対策室の下川救難課長は、夕闇が迫り視界が悪くなる状況の中で、前代未聞の東京湾への着水を提案。特救隊や現場に駆け付けた第5管区の服部たち、警察や消防、現場周辺の関係機関を巻き込んだ空前の大救出計画を、日本中が固唾を飲んで見守る中、村松機長は東京湾着水に向けて降下を始める。しかし、予想だにしない事態が仙崎たちを待ち受けていた―。
(引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E7%8C%BF#%E6%98%A0%E7%94%BB4%E4%BD%9C%E7%9B%AE)
『BRAVE HEARTS 海猿』のメインキャスト
仙崎大輔 (演:伊藤英明)
主人公。海上保安庁でも特に危険と呼ばれる部署『特殊救難隊』に自ら志願して入隊しました。災害現場から全員救うことを最重視していて、危険な場所に飛び込むことをいとわないガッツの持ち主です。
2004年の初代映画から仙崎大輔を演じていた伊藤英明。最初は頼りないお調子者の新人保安員でしたが、物語が進むとキャラの設定と共に演技にも深みが増し、この映画では頼もしい兄貴のような存在になりました。
吉岡哲也 (演:佐藤隆太)
仙崎の長年のバディで、仙崎についていく形で特殊救難隊に入隊しました。元気が良く、周りを明るい気分にさせてくれるムードメーカーです。
吉岡を演じている俳優、佐藤隆太自身も明るい性格で誰とでもすぐに仲良くなれるのだそうです。2019年現在も多数のドラマに出演している実力派人気俳優です。
矢部美香 (演:仲里依紗)
今回事故に遭うジャンボ航空機『G-WING206便』のキャビンアテンダントで、吉岡の恋人です。物語序盤に吉岡からプロポーズを受けるのですが、冷めた表情で断ってしまいました。
美香役の女優、仲里依紗は『ハラがコレなんで』『最高のオヤコ』『ホリデイラブ』など映画・ドラマ問わず数多くの作品で主演を経験しています。
嶋一彦 (演:伊原剛志)
仙崎と吉岡が配属された特殊救難隊の副隊長。レスキューにはスキルと冷静な判断が必要だと考えており、さらにドライな性格ゆえに危険承知で人助けをする仙崎を否定します。
怖い顔で仙崎たちに睨みを効かせる男、嶋を演じた俳優は『新撰組!』『花子とアン』『半落ち』『硫黄島からの手紙』などに出演していた伊原剛志。
『BRAVE HEARTS 海猿』の見所を解説!
シリーズ最後を飾る作品というだけあって、事故の内容の深刻さとそれに対応する作戦や人員配備の規模が最大級です。
飛行機事故ということで「あれ?今回海上保安庁出番ないんじゃないの?」と一瞬思ってしまうのですが、海上着水に作戦を切り替えたことで仙崎たちにも出番が回ってきます。
海上保安庁だけでなく、東京湾周辺の警察・消防・病院の関係者たち、さらには地元の漁船まで「命を救う為に何かしたい」という想いだけで現場に集まるところは、人の温かさを感じて心打たれることでしょう。
『BRAVE HEARTS 海猿』の評価
『BRAVE HEARTS 海猿』の評価は映画.comでは3.6、Filmarksでは3.6、Yahoo!映画では3.93と、なかなか好評なようです。
映画館公開当時の記録では、公開初日から2日で興行収入8億7000万円、観客動員数68万人を突破して興行通信社調べのランキングで初登場第1位になりました。
初動の勢いから衰えることなく公開から3週連続で首位を達成するなど、最終的に累計動員数570万人、興行収入72億円以上を記録する大ヒットを達成しました。
『BRAVE HEARTS 海猿』の感想
実際に映画を見た人の感想もいくつか紹介しますので、参考にどうぞ。
序盤がつまらな過ぎて撃沈しそうになりました。昔のだるいトレンディドラマのような、ベタな演出は変わりません。
でも空からの遭難者の救出劇は良かったです。
全員救助を目的とする主人公の信念は常に熱く、どんな状況でも前向き思考です。いつもならもう少し早くバディの救助に向かうのでは?予想通りのご都合主義だけれども、ハッピーエンドにしないと、海上保安庁の宣伝効果が薄れてしまいますしね。現実には中国を日々追い払うという煩わしいお仕事が増えて、更にお疲れかも知れません。
(引用:https://eiga.com/movie/57177/review/)
海猿のラストを飾る作品とだけあって、
スケールはシリーズ史上最大規模。
今作では、陸空海の保安官だけでなく、民間の作業船や医療機関に携わる人々までもが一丸となってジャンボ航空機の全乗客への救助・救護にあたる。言葉が持つ力、伝える影響力は素晴らしいと感じた。
仙崎や下川が発する言葉が周りを動かすことはこれまでのレビューで再三述べてきたが、今作では、村松機長の言葉にも心を動かされた。
乗客に海上着水を伝えた際の言葉一つ一つが持つ力が強く、胸に響きました。(引用:https://filmarks.com/movies/37176)
元々赤の他人である男と女が相手のことを誰よりも大切に想うようになるには、命をかけて一緒に困難を乗り越えることが一番。それを訴えかけるような作品。乗り越えられる困難なら、是非とも対面してみたいものである。
緊迫感や水中でのアクションは他の海猿の作品に比べて派手さがないが、期待を裏切らず海猿らしく、熱い男達のハートフルな救出劇。
単純に、海猿カッコいい。(引用:https://movies.yahoo.co.jp/movie/341806/review/1126/?c=8&sort=lrf)
今回は他の海猿シリーズよりもアクションに派手さがないという意見がありますね。さすがにシリーズ4作目にもなると同じ展開ばかり出来ないということでしょうか。
しかし、仙崎も年々成長しており、気合や根性で現場に飛び込んで無理やり救助するだけでなく、机上で作戦を立てて協力を要請するようになっており、いつもと一味違う『海猿』が楽しめると思います。
過去の『海猿シリーズ』はもう観ましたか?
『海猿シリーズ』は各映画単体で見ても十分に面白いのですが、シリーズを通して見ると各キャラクターの関係性や、仙崎の成長をずっと追えるのでより面白くなります。
2004年公開の『映画 海猿』、2005年放送のテレビドラマ『海猿 EVOLUTION』、2006年公開『LIMIT OF LOVE 海猿』、2010年公開『THE LAST MESSAGE 海猿』。
そして2012年公開の本作『BRAVE HEARTS 海猿』。この5作品を通しで観終わったときには、言いようのない感動があなたに押し寄せることでしょう。
『海猿シリーズ』はインターネット配信されていません!
前項目で「海猿シリーズは全部観た方が良い」とオススメしたのですが、誠に残念ながら『海猿シリーズ』をインターネットで視聴する方法はありません。
なぜかというと原作漫画著者の佐藤秀峰氏と、実写映画の製作に関与していたフジテレビとの間で契約上のトラブルが発生した為で、佐藤氏はフジテレビが『海猿シリーズ』に関わることを禁止しました。
さらに佐藤氏は2017年11月28日に「10月末で契約期間が終了したので、インターネット・テレビで海猿シリーズが放送・配信されることは永久にない」ということを自身のツイッターで発表しています。
なので『海猿シリーズ』を観るなら、レンタルビデオ店でBlu-rayやDVDを借りてくるしかありません。
『BRAVE HEARTS 海猿』の紹介まとめ
どんな場所でも起こりうる深刻な事故、災害。この映画で仙崎たちの物語は完結を迎えますが、今日もどこかで、命の危機に瀕している方を助けようと頑張っている人たちがいます。
人が人を助けるということがどれほど素晴らしいことなのか身にしみて感じられるのが『海猿』シリーズなのです。
ということで最後まで読んでいただきありがとうございました。この記事を読んで『海猿シリーズ』『BRAVE HEARTS 海猿』への興味が高まったら、実際に作品を視聴して貰えれば嬉しいです。