本記事では、映画『わたしを離さないで』のあらすじや見どころを紹介します。
本作品は、外の世界との接触を断たれた寄宿学校で育てられた、3人の男女の恋愛物語です。3人は生まれながらにして「ある運命」を背負っていますが、それに抗おうと必死に生きます。
彼らが背負っている運命とは?、彼らが生きる意味とは?見ているうちに思わず胸が苦しくなりそうな恋愛模様が展開されます。
また、本記事では『わたしを離さないで』の原作小説版や、テレビドラマ版の違いについても紹介します。後半では無料で視聴できる方法も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
本記事は、ネタバレを避けたうえで本作品のあらすじを紹介します。
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E4%BA%BA-%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%AB-%E3%82%AD%E3%82%B9-%E6%84%9B-%E6%9A%97%E3%81%84-2562102/#content)
映画『わたしを離さないで』の作品情報
まず、映画『わたしを離さないで』の作品情報から紹介します。作品情報は以下の通りです。
- 【邦題】『Never Let Me Go』
- 【公開日】2010年10月28日(日本)
- 【上映時間】105分
- 【監督】マーク・ロマネク
- 【脚本】アレックス・ガーランド
- 【原作】カズオ・イシグロ
- 【出演者】キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイ
- 【ジャンル】ドラマ・恋愛
- 【prime videoの評価】☆☆☆☆☆(841件)
- 【Yahoo!映画の評価】☆☆☆☆☆(1,410件)
本作品の制作費は1,500万ドル(日本円換算で約15億7,400万円)、興行収入は約950万ドル(日本円換算で約9億9714万円)と、収入だけみれば失敗に終わっています。
(参考:https://www.boxofficemojo.com/release/rl3697575425/)
ですが、映画『わたしを離さないで』は、公開後も映画ファンから隠れた名作として反響を呼び、今もなお支持されているのです!
ちなみに、本作品がきっかけとなりキャリー・マリガンやアンドリュー・ガーフィールドは、スター俳優として一躍有名になります。
映画『わたしを離さないで』のあらすじを紹介
ここで、映画『わたしを離さないで』のあらすじを紹介しますね。
1978年、イギリスにある寄宿学校「ヘールシャム」から物語は始まります。キャシーとルース、トミーの3人は、「ヘールシャム」で学校生活を過ごします。生まれた時から特別な運命を背負わされたとは知らずに。
1985年、18歳になった彼らは、コテージで生活を共に過ごすうちに恋愛関係に発展します。そして1994年、物語はいよいよクライマックスを迎えます。
人が生きる意味と、本物の愛とは何かを問う、胸の奥がしめつけられるかのようなラブストーリーです。
映画『わたしを離さないで』のメインキャスト
次に、映画『わたしを離さないで』の主要人物を演じる、3人のメインキャストをそれぞれ紹介します。
キャシー(演:キャリー・マリガン)
寄宿学校「ヘールシャム」で過ごす物静かな女の子。幼馴染であるトミーのことを想い続け、時にはトミーとの関係に葛藤します。
キャシーのトミーへの想いは、物語がクライマックスへと向かっても変わることはありません。
キャシー演じるキャリー・マリガンは、『17歳の肖像(2009年)』で「英国アカデミー賞」主演女優賞などを受賞しました。さらに、他作品で「アカデミー主演女優賞」などにノミネートされています。
ちなみに、キャリー・マリガンが出演した代表作品や詳しい経歴を知りたいなら、下記の記事もあわせてご覧ください。
ルース(演:キーラ・ナイトレイ)
ルースはキャシーとは対象的に、強気な女の子。「ヘールシャム」では密かにトミーのことを想い続け、「コテージ」ではトミーと付き合うことになります。
次第に本物の愛とは何かについて苦悩し続けることになり、物語がクライマックスを迎える時には、キャシーとトミーにある願いを託します。
ルース演じるキーラ・ナイトレイは、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち(2003年)』のヒロイン、エリザベス・スワンを演じ、記録的大ヒットを飛ばしました。
ちなみに、キーラ・ナイトレイが出演した代表作品や詳しい経歴について知りたいなら、下記の記事もあわせてご覧ください。
トミー(演:アンドリュー・ガーフィルド)
「ヘールシャム」で癇癪(かんしゃく)持ちのいじめられっ子として、仲間外れにされていた男の子。いじめられていた所をキャシーが慰めてくれたことから、キャシーと仲良くなります。
一方で「コテージ」では、ルースと付き合うようになり、キャシーとルース、それぞれの”本物の愛”について苦悩するようになります。
そしてクライマックスでは、自分が生まれた意味について葛藤し、過酷な現実を突きつけられることに。
トミーを演じたアンドリュー・ガーフィルドは、『アメイジング・スパイダーマン(2012年)』の主人公、ピーター・パーカーを演じました。また他作品では、「アカデミー賞主演男優賞」にノミネートされました。
見どころ①クライマックスへ静かに進む物語
映画『わたしを離さないで』は、全編を通して「ヘールシャム」、「コテージ」、そしてクライマックスへと静かに進んでいきます。
時々、キャシーたちが涙を流したり、怒りをあらわにしたりすることもあります。しかし、それぞれの登場人物の感情が切り離されているかのように、物語は静かに進んでいくのです。
たとえキャシーたちが過酷な運命を突きつけられたとしても、物語は徐々に終わりへと向かっていきます。
見どころ②キャシーたちが外の世界へ行くシーン
映画『わたしを離さないで』で登場するキャシーたちは、幼い頃から「ヘールシャム」で隔離された生活を送っています。
そのため、外の世界で暮らす人たちの生活について詳しく知りません。ただし、外の世界については、「ヘールシャム」で行われた模擬授業によって存在だけは知っています。
数あるシーンの中でも、キャシーたちが外の世界にあるカフェで飲み物を注文する場面は、特に印象的です。キャシーたちはカフェで何を注文して良いのか分からず、店員に顔色を伺いながら注文する始末なのです。
外の世界の人たちは、違和感のあるその様子からキャシーたちにどこか哀れむような目を向けます。「かわいそうに…」と。
見どころ③序盤にある演出の見事な伏線回収
映画『わたしを離さないで』の序盤で登場する演出の数々は、キャシーたちが成長するにつれて、ある形で回収されることになります。
例を挙げると、トミーがキャシーにプレゼントしたテープ、ルースが馬を飼いたいと言ったこと、キャシーが読んだポルノ雑誌など、数々の演出があります。
その演出の数々が、物語が進むにつれて見事に回収されていくのです。
そのため、本編を見る時には演出に関しても注目してみてください。そうすれば、本作品をもっと楽しめますよ!
原作小説『わたしを離さないで』と映画版との違い
映画『わたしを離さないで』は、2005年、イギリスで発行された原作小説『わたしを離さないで』を映像化した作品です。なお、日本では2006年に発行されました。
小説版と映画版の内容はほぼ同じです。ただし、映画でカットされた部分が詳細に描写されているので、物語を深く理解できます。
なお、小説版ではキャシーたちだけでなく、その他登場人物たちの心理描写が鮮明に描かれています。
ただし、小説版では難解なシーンもあるため、まずは内容が理解しやすい映画版から観ましょう。
テレビドラマ版『わたしを離さないで』と映画版との違い
日本での公開から約6年後、2016年1月15日~3月18日、TBSテレビにて『わたしを離さないで』が金曜22:00~22:54に放送されました(全10話)。
テレビドラマ版は日本を舞台に物語が展開されるため、やや設定が異なります。ただし、映画版と同じく、登場人物たちの生きる意味と本物の愛とは何かを問う展開になっているので、大筋の内容は同じです。
テレビドラマ版では、三浦春馬や綾瀬はるか、水川あさみなどの豪華俳優陣が登場していました。ちなみに、各俳優たちが演じた登場人物たちは以下の通りです。
- 【保科恭子(演:綾瀬はるか)】明るくお人好しな性格。映画版のキャシーに相当
- 【酒井美和(演:水川あさみ)】勝ち気で小悪魔的な性格。映画版でのルースに相当
- 【土井友彦(演:三浦春馬)】気弱で優柔不断な性格。映画版でのトミーに相当
テレビドラマ版は、それぞれの俳優たちの熱演ぶりや演出面の良さから、視聴者から高い評価を得ています。
テレビドラマ版は映画版を観終わった後にしましょう。そうすれば、映画版とテレビドラマ版の設定や細かなストーリーなどの違いが分かって面白いですよ。
映画『わたしを離さないで』のレビュー
ここで、映画『わたしを離さないで』のレビューを3つ紹介します。まず、次のレビューを紹介します。
緻密にディティールまで表現されたカズオ・イシグロの長編小説の映画化。この緻密さに加えそれなりの長さの小説を2時間あまりにまとめるのは難しい作業だったと想像する。小説を読んでいない人にはわからないところもあったのではないだろうか。
それでも、小説の舞台や世界観を見事に映像としてみせてくれている。CMやマドンナなのMVでも活躍していたマーク・ロマネクだけあってその映像センスが素晴らしい。
なんといってもキャスティングが見事。小説のイメージ通りの見事な配役。
それにしても、やはりすごい原作であることにため息がでる。
(引用:https://www.amazon.co.jp/%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%81%97%E3%82%92%E9%9B%A2%E3%81%95%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A7-%E5%AD%97%E5%B9%95%E7%89%88-Andrew-Garfield/dp/B00G9T37KG#customer-review-section)
レビューを見てみると、「原作小説の世界観を見事に再現してくれた」という声が寄せられていました。また、「出演者たちの配役もぴったりで、イメージ通りに楽しめた」という評価もあります。
原作は、349ページにも渡る長編小説です。そのため、長い物語を上手くまとめられていたという点も評価されています。
次に、2つ目のレビューを紹介します。レビューの内容は以下の通りです。
カズオ・イシグロのイメージがまさに具現化されたような作品。淡いモノトーンに近い画像処理が時代背景を物語り、古い未来へといざなってくれます。出演者それぞれの心の襞まで見透かそうとするかのような、そんな作品です。
(引用:https://www.amazon.co.jp/%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%81%97%E3%82%92%E9%9B%A2%E3%81%95%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A7-%E5%AD%97%E5%B9%95%E7%89%88-Andrew-Garfield/dp/B00G9T37KG#customer-review-section)
レビューを見てみると、「原作者カズオ・イシグロの独特な描写を再現してくれた」という声が寄せられていました。
映画版は、どこか懐かしさを感じさせるかのようなシーンが満載です。そのため、本編を見ていると昔を懐かしむかのような気分を味わえますよ。
最後に、少し視点を変えて低評価のレビューを紹介します。内容は以下の通りです。
原作は読んでいませんが、内容は日本のTVドラマと変わりません。
キャストも似た感じの俳優を起用しておりますし、演技もこちらの映画の模倣なのかそっくりです。ドラマでは、個性や人間関係を丁寧に描けていましたが、映画の場合時間が限られているためストーリーをはしよるだけで終わっています。これだけ観ても、何も伝わってきません。
小説を読むかTVドラマを観てから、比較してみる楽しさをお勧めします。
(引用:https://www.amazon.co.jp/%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%81%97%E3%82%92%E9%9B%A2%E3%81%95%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A7-%E5%AD%97%E5%B9%95%E7%89%88-Andrew-Garfield/dp/B00G9T37KG#customer-review-section)
レビューを見てみると、「映画版とテレビドラマ版は、似たような感じだった」という声が寄せられていました。
また、「キャシーたちの個性を深堀りして欲しかったのに、映画版では掘り下げてくれなかった」という声も寄せられていました。
そのため、映画版を観てキャシーたちの個性について「もっと知りたい!」と感じたら、映画版観賞後に小説版を読んでみましょう。
映画『わたしを離さないで』を無料で視聴する方法
無料で視聴する方法ってないかな。今月ピンチだから、あまりお金をかけたくない…。
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- 【Amazon Prime Video】299円
- 【dTV】330円
【まとめ】映画『わたしを離さないで』について
ここまで、映画『わたしを離さないで』のあらすじや見どころなどを紹介しました。
本作品は、特別な運命を背負った登場人物たちを通じて、人が生きる意味と本物の愛とは何かを問い続けます。
「ヘールシャム」や「コテージ」、そしてクライマックスで見られる数々のシーンは、見ているだけで言葉では言い表せない気持ちになってしまいます。
果たして、キャシーたちはどんな結末を迎えてしまうのか?続きが気になる方は、ぜひ視聴してみてくださいね。