【新海誠の長編デビュー作】『雲のむこう、約束の場所』を解説!!

雲のむこう、約束の場所』は、いまや世界に誇る日本のアニメーション映画監督、新海誠氏が手掛けた初めての長編アニメ映画です。

本作品はテーマや設定が難しいこともあり、一度見ただけでは理解が難しい作品ともいえます。奥行きのある作品なので、本記事ではあらすじや見どころなど、多角的に詳細を解説していきたいと思います。

新海監督の長編デビュー作を楽しむことを第一に、事前に理解を深めることで、見てみたくなるように構成しました。

『雲のむこう、約束の場所』の作品情報

まずは『雲のむこう、約束の場所』の作品情報について紹介していきます。

『雲のむこう、約束の場所』の作品情報
  • 公開:2004年11月20日
  • 監督:新海誠
  • 原作:新海誠
  • 脚本:新海誠
  • 絵コンテ:新海誠
  • 音響監督:新海誠
  • 上映時間:91分
  • 配給:コミックス・ウェーブ

もうひとつの戦後の日本の世界”を題材として描いた叙事詩となっているため、SF感が強くもリアリティのある作品として、第59回毎日映画コンクール・アニメーション映画賞を受賞しています。

『雲のむこう、約束の場所』の登場人物・キャストは?

次に、作品を彩るメインキャラクターたちをご紹介します。どの人物も、物語の上では欠かせない存在です。愛着を持って貰えると嬉しいです。

藤沢 浩紀(ふじさわ ひろき;cv.吉岡秀隆さん)

ヒロキはサユリに想いを寄せ続ける一途な少年で、高校進学と同時に地元青森を離れ東京に上京します。もともと明るい性格でしたが、サユリがいなくなることでどんどん内向的な性格になっていきます。

最後までサユリのことを想い続け、サユリを約束の場所に連れていくためにタクヤとの再会を果たします。

沢渡 佐由理(さわたり さゆり;cv.南里侑香さん)

サユリは本作のヒロインで、物静かな女の子です。中3の夏休みに眠り続けてしまう意識障害になり東京の病院へ搬送され、15歳のまま成長が止まってしまいます。

実は南北分断で生き別れた祖父は、ユニオンの塔の設計者。そのためサユリは特殊な力を持っており夢の中に閉じ込められたままヒロキを待ち続けることとなります。

白川 拓也(しらかわ たくや;cv.萩原聖人さん)

タクヤはもうひとりの主人公といえるでしょう。実はヒロキ同様サユリに惹かれているクールな男子で、高校進学後、米NASA属託の青森アーミーカレッジで””について研究する秀才です。

優しく落ち着いた性格である一方、元バイト先の師、岡部率いる過激派テロ集団”ウィルタ解放戦線”にも身を投じる一面も。

脇をかためる名キャラクターたち

次は、個性あふれるサブキャラクターたちを紹介します。どのキャラクターも本作にとって重要な存在となるのでしっかり予習しておきましょう。

岡部(おかべ;cv.石塚運昇さん)

岡部さんは、主人公たちのアルバイト先である蝦夷製作所の社長です。その工場自体は米軍の下請けで、岡部はテロ組織”ウィルタ解放戦線”としてミサイルを組み立てている裏のリーダーとしての顔も持っています。

南北分裂により家族を失っている背景から、ヒロキたちを誰より支えてくれる粋なオヤジです。

富沢常夫(とみざわ つねお;cv.井上和彦さん)

富沢は岡部と旧知の関係。タクヤのいるアーミーカレッジの上司であり、塔の研究を進める中で、サユリが塔の秘密につながるかもしれない事実に辿り着きます。

サユリをサンプルとして研究対象にする中で、さらにヒロキやタクヤとの関係にも気づく切れ者です。

笠原真希(かさはら まき;cv.水野理紗さん)

真希さんは、富沢研究室で脳科学の研究を専門としており、新人のタクヤの面倒を見ていた先輩です。年下の彼に恋心を抱いており、あえて隠すことなく気持ちを伝えることのできる素敵な大人の女性です。

メインキャラクター、サブキャラクターがそれぞれわかったところで、作品のあらすじをご紹介しましょう。

『雲のむこう、約束の場所』あらすじ

本作は先述の中学3年生の主人公の男子2人と女子1人の日々が序章のように描かれ、そこから3年後に再会することで劇的な展開を迎える流れになっています。

中学3年生の夏休み、サユリが何も言わずに姿を消してしまったことから、ヒロキとタクヤは焦燥感と闘いながらそれぞれの道を歩み始めます。

タクヤは高校生にして米NASA属託の青森アーミーカレッジで塔の研究に没頭し、ヒロキは青森から逃げるように東京の高校に進学しますが、2人とも眠ったままのサユリを忘れられないまま成長していきます。

「眠り続けるサユリを救いたい」という気持ちにようやく向き合えたヒロキは、サユリを”約束の場所”へ連れていくために動き出し、ついに、止まっていた彼らの時間が再び流れ始めます…。

『雲のむこう、約束の場所』の評価

次に、『雲のむこう、約束の場所』の映画評価について紹介していきます。

Yahoo!映画 3.41点

開始30分でようやく背景がのみ込めて、と思ったら話が進んで、全体的に話が分からない間に終わっていた。ロマンチックな感じはあったし、掘り下げができればもっと良作だったと思う。音楽や演出はよく見えた。

引用:https://movies.yahoo.co.jp/movie/241003/review/1997/?c=2&sort=lrf

5段階評価で★1の人と5の人に見事に分かれているのが印象的でした。映像の美しさや全体的な雰囲気は共通して評価されているのに対し、内容の理解度に大きく差が出ているようです。

映画.com 3.0点

新海作品で最も好きな作品です。
長いし荒いので見にくいし飽きてくるけれど何度も何度も見てしまう圧倒的な魅力があります。

あと音楽もいいです、ずっと聞いて入られます。疲れているときは泣きそうになります。

引用:https://eiga.com/movie/41186/review/01613132/

こちらのサイトでも、やはり内容の理解に対する評価が分かれていました。同監督作品の発展形、もしくは基になった作品であろうというコメントも多くみられました。

いずれにしても意見が大きく分かれる作品ということがわかります。キーワードとなる言葉の混乱やそれらの情報の説明不足などが理由として目立ったため、混乱しやすいオリジナルの言葉について解説していきます。

混乱を招く?!オリジナルワード解説

前章での見どころの一方で、本作は複雑なSF要素とオリジナルワードが合わさり、視聴者を大変混乱させています。なかでも、”ユニオンの塔”や”宇宙の見る夢”など、インパクトのある言葉がいくつか登場します。

初めて本作を観る方に全体像がつかめない人が多いのは、こういった独特の設定に戸惑うからかもしれません。これらが本質的にどんなモノなのかを本章では解説します。

ユニオンの塔の真の役目とサユリとの関係

そもそもユニオンの塔は、日本とアメリカの”連合国”と”ユニオン国”(蝦夷)の冷戦の末に建てられた天まで届く南北分断の象徴と表面上は伝えられています。

しかし、タクヤのいる研究所では、塔の真の正体は、塔を中心とした別の宇宙が広がっていて、塔は並行宇宙の情報観測機であると研究されています。

そこで鍵になるのが眠り続けるサユリの存在。彼女は、世界が並行宇宙に吸い込まれてしまうのを防ぐために眠り続けています。彼女がキーパーソンになった理由は、作中で何度も出てくるので是非確認してみて下さいね。

”宇宙の見る夢”の表すもの

”宇宙の見る夢”や”並行宇宙”などの表現が本作では多く登場します。非常に魅力的でインパクトの強い言葉です。本作の中では、”並行宇宙”=”宇宙の見る夢”=”パラレルワールド”を表しています。

ではなぜ言葉をあえて変えているのかを考えてみました。その理由は先述の、並行宇宙という概念が、サユリが眠ることによって維持されているという設定にあるからです。

サユリは眠り続ける間ずっと夢を見ます。サユリが夢を見続ける(眠り続ける)ことで並行宇宙による世界の浸食が抑制され、並行宇宙が保たれる。これが”宇宙の見る夢”という表現の意味合いだと考えられます。

それでは、一般的な評価や混乱しやすいオリジナルワードを理解したうえで、見どころを次章で解説していきます。

『雲のむこう、約束の場所』の見どころ

本作の見どころは、SFを基盤にしたヒロキとサユリのラブストーリーと言えます。

映画の中では、パラレルワールド(作中では”並行宇宙”と表現されています)が大きなキーワードとなっており、その世界の中でもがきながらも愛する人へ想いを馳せながら成長していく姿に心を打たれます。

また、同じ夢を何度も見続けるサユリは、ユニオン国によるユニオンの塔の利用中止のために犠牲となり、眠るなかで、ヒロキを待つ彼女の姿から、彼らが同じ気持ちであることがうかがえます。

中学時代から恋するサユリを助けるために動き出すヒロキとタクヤ。二人の熱い思いにあなたも胸を打たれるでしょう。また繊細で切ない恋愛模様に青春時代の想いを重ねる方もいるのではないでしょうか。

これであなたも新海マニア!他作品との比較

多くの新海誠ファンが、同監督他作品である『君の名は。』と本作を比較しています。その理由として、共通する点が幾つかあることが挙げられています。

『雲のむこう、約束の場所』『君の名は。』共通点例
  • 宇宙規模の壮大なSF要素と、リアルな淡い青春恋愛ドラマが織り交ぜられている点
  • 最終的に出来事の記憶を失ってしまう点
  • 「ずっと何かを、誰かを探している」という主人公が抱え続ける感情

多くのファンが、『君の名は。』はこの、初めての長編デビュー作であった本作の原点回帰作品であると評価しています。そして本作の反省点をかなり改善した結果、大ヒットにつながったと考えている人も多いようです。

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2019年5月13日

『雲のむこう、約束の場所』を実際に観てみよう

世界中で注目を集め続ける新海誠監督の長編デビュー作とあって、様々な動画サイトから視聴が可能です。少しでも気になったり、もう一度観たくなった方は是非以下よりご視聴下さい。

会員登録が初めての方は無料お試し期間があるので、その期間を利用してみるのもありですよ!

『雲のむこう、約束の場所』を視聴できる動画サイト

映画原作は新海監督ですが、別の方の書いたサユリのその後を描いた小説も発行されており、そちらと合わせてストーリーを考察するのもおすすめの視聴方法です。映画、サウンドトラックと併せて是非読んでみて下さい。

『雲のむこう、約束の場所』の解説まとめ

本記事は、一度では理解しきれない繊細な作品を、いかに楽しんで観ていただくか、そのためには様々な解説が必要と考え実際に作品を見、情報を収集しまとめました。

美しい描写を楽しんでも良し、様々な考察をしながら視聴するも良し、青春時代を思い出しながら見るも良し。様々な角度から楽しんでいただける作品であるため、是非一度ご覧ください。

本記事を読み、新海監督の長編デビュー作を皆さんの解釈で楽しんでいただけると幸いです。

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ABOUTこの記事をかいた人

COCO

恋愛・婚活をメインとして、フリーランスを目指し日々奮闘しています。素直に明るく前向きに!がモットー。 小学生の頃から現在まで日記をつけています。中身はほぼ恋の話。自身の経験・多くの方から受ける相談内容と、徹底調査・分析に基づいた情報を読者の皆さんにリアル且つ役に立つかたちで提供したいと思っています。 最近起きた自虐ニュースは『婚約破棄』です(笑)!めげずに頑張るぞー!!