皆さんは失恋をしたとき、人生で先が見えなくなったとき、自分に自信が持てなくなったとき…
誰しもが一度は経験のあることだと思います。色々な対処法がありますよね。
人に話を聞いてもらう?ひとりでじっくり過去を振り返る?とにかく泣いてスッキリ?
数ある解決策の中で、わたし自身大変心を癒された映画”マイ・ブルーベリー・ナイツ”の魅力を、まだ本作をご覧になったことのない方も見てみたくなるよう、できる限り細かくご紹介していきます。
(トップ画像出典:http://www.tc-ent.co.jp/uploads/products/0000/3547/jacket_photo.jpg)
映画”マイ・ブルーベリー・ナイツ”概要
- 公開日:2008年(日本)
こちらの映画の制作国が、中国・香港・フランスだったためか、実際の初公開は2007年のパリと上海でした。日本での公開は翌年だったという訳ですね。 - 上映時間:95分
- 監督:ウォン・カーウェイ
- 評価:第60回カンヌ国際映画祭のオープニング作品に抜擢!
ストーリーの簡単な概要としては、失恋に傷を負った主人公エリザベスが、元彼の家の正面にあるカフェのオーナー、ジェレミーと知り合うところから始まります。
恋愛ストーリーともとれますが、エリザベスがひとり旅をするなかで出逢った人々を通し、再び前を向いていくお話になっているため、多くの人の心を惹きつけます。
映画の予告編を見て世界観をぎゅっと把握!
イメージを膨らませるためにも、少し画質が荒いのですが、予告動画は是非一度ご覧いただきたいです。
内容もキャストも音楽も映像美も、どれも素晴らしいですよね。もっと見たくなりませんか?
最後に出てくる、本作で最も有名なカウンター越しのキスシーンなんて何度見てもキュンときちゃいます。失恋がきっかけのラブストーリー?その解釈は、正解かもしれませんし、不正解かもしれません。
もっと奥深いところに答えはあることを知ってほしい!そんな思いで本作の魅力的なキャスト、ストーリーのについて、どんどん深堀りしていきます。
”マイ・ブルーベリー・ナイツ”超豪華キャストを徹底紹介!
まずは魅力満載の主要キャストと役柄についてご紹介していきます。本作は、脇役含め本当にキャストが豪華なんです。
◎ノラ・ジョーンズ
主人公エリザベスを演じます。世界的有名歌手でありながら、本人役以外では初じめての主演作とは全く感じさせない演技に脱帽です。
映画の中では様々な場面でノラ・ジョーンズ自身が歌う曲が使用されており彼女と食う夕の非常にムーディな雰囲気が漂っています。
エリザベスとして、失恋で傷心の自分から生まれ変わるための旅に出る等身大女性の役を好演しています。
◎ジュード・ロウ
カフェのオーナー、ジェレミー役。アカデミー賞やゴールデングローブ賞を何度も受賞する実力派です。
最近では「キャプテン・マーベル」や「ファンタスティック・ビースト」、「シャーロック・ホームズ」シリーズなど、日本でも有名な作品に出続けている、活躍の幅の広い俳優さんですね。
彼の話す英国訛りの英語台詞は聞いているだけでとろけそうになります。字幕で台詞の素晴らしさをかみしめると同時に、彼の発する美しい英語も味わうという別の楽しみ方もオススメです。
ジェレミーは店に来る客の鍵を預かり続け、エリザベスの話を親身に聞く中で彼女の持っていた恋人の鍵も預かります。
◎デイヴィッド・ストラザーン
エリザベスの仕事先の常連警察官アーニー役。日本でお馴染みのゴジラがハリウッド映画化された際には、2作品(「ゴジラ」、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」)ともに出演しています。
また、「グッドナイト&グッドラック」では、アカデミー賞・ゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネートされ、ベネチア国際映画祭ではボルピ杯(最優秀主演男優賞)を受賞しています。
本作の中でも見て取れるほどに、その役柄が見事に憑依する素晴らしい俳優と言えます。
アーニーは元妻スー・リンと別れたくないがためにつきまとい、アルコール中毒になってしまう男です。日中は穏やかなのに、夜になると酒におぼれる毎日。スー・リンとのやり取りは思わず息を吞む緊迫感です。
◎レイチェル・ワイズ
アーニーの元妻スー・リン役。ハムナプトラシリーズの1作目、2作目においてヒロインに抜擢され、世界的に注目を浴びた彼女。
直近では、「女王陛下のお気に入り」にてアカデミー賞・ゴールデングローブ賞ともに助演女優賞にノミネート、更には英国アカデミー賞助演女優賞を受賞しています。
スー・リンは束縛から解き放たれたい一心で、わざとほかの男を連れてレストランに訪れたりアーニーに暴言を吐くも、最後には本音をエリザベスに話します。
◎ナタリー・ポートマン
ポーカー女、レスリー役。日本でも絶大な人気を誇る女優さんですね。出演作も幅広く、「スターウォーズ」シリーズや「水曜日のエミリア」など、その美貌と演技力で本当に数多くの作品に出演しています。
中でも世界中に衝撃を与えた「ブラック・スワン」で、彼女はゴールデングローブ主演女優賞・英国アカデミー主演女優賞・アカデミー主演女優賞を総なめ受賞します。
美しさだけでなく演技に対するストイックさによる結果でしょう。
常に人を疑いながら生きてきたレスリー。しかし最終的に、自分を信じることの大切さをエリザベスに気づかせてくれる存在になります。
”マイ・ブルーベリー・ナイツ”の評価ポイント
ポイント①心に刺さる美しい名言の数々
本作品最大のポイントです。簡単には語り切れないほど深い意味や背景を背負った言葉たちが生まれていますので、次の項目で幾つかピックアップしてお伝えしていきます。
ポイント②歌姫ノラ・ジョーンズだからこその哀愁
ノラ・ジョーンズは、なんとデビューアルバムから連続のグラミー賞受賞歌手。そんな彼女だからこその歌声と曲の哀愁が、この映画には不可欠なのです。
ポイント③ウォン監督の映像から生み出される世界観とその美しさ
映像の美しさに定評のあるウォン監督。欲望の翼や恋する惑星などで世界中で活躍する監督なのですが、いずれの作品も独特の世界観を演出するのが特徴的な監督なので映像の美しさに魅了されたい方は是非ご覧ください。
心に刺さる美しい名言と台詞の真意
先述の評価ポイントの中で挙げた”心に刺さる美しい名言”の中で特に刺さる台詞をご紹介したいと思います。(以下三点 参照:映画字幕表示)
名言①パイのせいじゃなく注文がない。選ばれないだけ。
これはこの映画で最も有名な台詞です。エリザベスがジェレミーに対し、何故自分は選ばれなかったのか、振られた理由を知りたいと言った際に発した言葉です。
人は自分を納得させるため理由や原因を探しがちですが、理屈じゃない場合もある。理由なんて何もない。それを凄く美味しいのに毎日売れ残るブルーベリーパイに例えているのです。
名言②他人との出会いは不思議で、自分を知る手がかりになる
この言葉は、旅の途中でエリザベスがジェレミーに宛てた手紙の中で書いた言葉です。旅をする中で、彼女は様々な人々と出会い、少しずつ自身を見つめ直し始めます。
自分を見失ったり自信を失っている場合、人は人と比べたり、あるいは人から影響を受けたりする中で自分というものを見つめ考え、そして立ち直っていきます。まさにその瞬間を切り取った共感ポイントなのです。
名言③いつまでも同じ私でいたくなくて…生まれかわりたかった
映画のラストでのエリザベスの名言です。人に(ジェレミーに)頼ったり甘えるのは簡単です。
でも彼女はあえてアメリカ横断という旅を決断した、そこに決意の強さや覚悟を読み取ることができます。まして自分を変えるのは簡単ではありません。だからこそ、重く強く、心に残るのです。
台詞から読み解く「旅とブルーベリーパイ」の意味
『道を渡るのはそう難しくない、反対側に立つ人次第』
映画の終盤、エリザベスがアメリカ横断の後にジェレミーのもとへ帰ってくる際に出るこの台詞。
旅に出て生まれ変わること自体が難しいのでなく、その後の自分を受け入れてもらえるかどうかは相手次第という意味を表しています。
エリザベスは売れ残りのパイのようだった自分を受け入れてくれたジェレミーへの気持ちが確信に変わり、最後に彼に会いにいきます。でも突然旅に出た自分はまた受け入れて貰えるのだろうかとよぎるのは当然ですよね。
変化に対し拒絶を示される不安は誰しも持つのではないでしょうか。本作はラブストーリーとして描かれていますが、台詞自体の持つ意味は恋愛に限った話ではないのです。
”マイ・ブルーベリー・ナイツ”の評価・口コミ
主要な3サイトの中で、レビューを見ていて感じたのが、人によって評価が大きく分かれる作品となっているということです。
- Amazon:3.9
- Yahoo!:3.4
- 映画.com:3.3
レビューや口コミをつけている人の着目点は、主に以下のように分かれていました。
高評価(「自由になれる映画」「ウォンカーウェイらしい映像と、脇役が凄い!」「旅に出たくなるオシャレ映画」等):監督やキャストに魅力を強く感じている、映画全体の世界観を楽しんだ感想
低評価(「可もなく不可もなく」「視覚では楽しめるが心に残らない」「そこまで面白くない」等):ウォンカーウェイ監督の世界観が苦手、または内容を重視した感想
これらの結果が3.5前後の評価として平均値になっているのだと考えられます。
忙しい現代人にこそ響いてほしいロードムービー
捉え方は人それぞれで良いと思います。わたし自身はエリザベスと近い体験をしたせいか本作は何度も見ています。レビューにわたしと同じように「時々見たくなる」と書いている方もいました。
恋や仕事に奔走している方が多い現代でも、立ち止まってみると独りぼっちなことに気がつきます。そして誰でも努力すれば報われるわけではない、そんな現実にぶつかる時があります。
だから苦しくなった時に本作を見ると、「必ずしも自分にすべての原因があるとは限らない」という言葉に励まされるのかもしれません。
他人の中に自分を映し出すことで冷静になれるのです。理由なんてないかもしれないけれど今のままではいたくない。取捨選択して自分の道を選んでいく、まさにわたし自身の物語でもあるという考えに辿り着きました。
心に響いた”マイ・ブルーベリー・ナイツ”の名言
先ほど、エリザベスに深く共感したと記載しましたが、最後にもう一つ、わたしの人生に対する考え方を変える要因の一つとなった台詞を残します。
「扉と鍵を探して彷徨うのが人生」
正直この言葉によって、彷徨う中で鍵を間違えたり扉が開かなかったりしても良いんだというように受け止めるようになりました。
様々な人の鍵の開け方、扉の種類を見て学び、自分の目の前に現れたとっておきの扉を見つけ、それを開けることのできるピッタリの鍵を探し出してみたい。そんな人生も悪くないなと。
ジェレミーの店の名前も実は”鍵”。人々にとっての鍵が本作の裏テーマであるように感じます。彷徨うことを迷子と思わず扉と鍵を探す旅だと思えば、人生も楽しくなりそうですね。
この映画が真に伝えたいこと
本作では、ブルーベリーパイに乗せたバニラアイスがゆっくりと溶ける描写や時の止まった鍵を預かるカフェが描写される反面、都心を高速で走る電車が効果的に描かれています。映像として評価が高いのもうなずけます。
ただ映像美だけではなく、真のメッセージに気づいてほしいとも感じます。距離が離れても心に傷を負っている人はいて、それはエリザベスに限らず、ジェレミー自身も、また旅先で出会った人々にも当てはまるのです。
そして映画の中だけでなく現実世界も同じと言えます。中には過去の傷に縛られながら生きている人もきっといるでしょう。でも、そんな必要はないんです。
”遠回りをしても、人生で本当に大切なものを探し続ける”。
これこそが本作のテーマであり、エリザベスをはじめとする主要キャラクターたちの抱える苦悩や成長や人生模様がラブストーリーをベースとして描かれているのです。当たり前のことこそ意外と難しいものです。
”マイ・ブルーベリー・ナイツ”見たくなったら
以上で、わたしが本作を見たうえで感じたことを交えた、「マイ・ブルーベリー・ナイツ」のまとめです。
少しでも気になった方は、動画配信サイトからご覧くださいね。「U-NEXT」や「Hulu」から観ることができますよ。
会員登録が初めての方は無料のお試し期間があるので、その期間を利用してみるのもありですよね。
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