誰もが今日も明日も変わらない日常を過ごせると思っています。平穏な1日が、ある人物により変わってしまったら、あなたはどうしますか?
映画『コラテラル』は、平凡なタクシー運転手がある殺し屋によって日常を狂わされた出来事を描きます。
映画『コラテラル』の概要
- 公開:2004年
- 上映時間:119分
- 監督:マイケル・マン
- 主演:トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス
『ミッション:インポッシブル』や『マイノリティ・リポート』でヒーローを演じたトム・クルーズが、悪役の殺し屋を演じたことで話題になりました。
また、タクシー運転手役のジェイミー・フォックスは、コメディアン兼俳優で多才なことで有名です。2005年のアカデミー賞では、この作品と映画『レイ』で、主演男優賞と助演男優賞にダブルノミネートされました。
映画『コラテラル』の出演キャスト
トム・クルーズを始め、出演キャストはヒット作品に出演してたり、アカデミー賞を受賞した俳優もいます。今回はストーリーに深くかかわる主要キャスト3名を紹介します!
トム・クルーズ(ヴィンセント 役)
『ミッション:インポッシブル』『マイノリティ・リポート』を始め、多くのヒット作で正義感あふれる役を演じています。アクションシーンは、今回の映画でも健在です。
ジェイミー・フォックス(マックス 役)
テレビを中心にコメディアンとして活躍。フットボール選手の経験を活かして映画に出演し、注目を浴びました。レイ・チャールズの伝記映画で、レイ本人を演じアカデミー主演男優賞を受賞。
ジェイダ・ピンケット・スミス(アニー 役)
TVドラマを中心に活躍している女優で、映画の出演では『マトリックス』シリーズが有名。また、アニメ『マダガスカル』では、声優として出演しています。
ちなみに夫は『メン・イン・ブラック』シリーズで主演を務めているウィル・スミスです。
『コラテラル』のストーリー
舞台はロサンゼルス。タクシー運転手のマックスは、日々真面目に働いていました。プロの殺し屋ヴィンセントは、5人の殺害を依頼されロサンゼルスを訪れます。マックスは彼を乗せ、目的地まで無事に送り届けます。
マックスを気に入ったヴィンセントは、タクシーの貸切を提案しました。マックスは規定に反するので断りますが、報酬額に負けて引き受けてしまいます。ヴィンセントの提案は、5人の殺害を効率的に進めるためでした。
殺しの手伝いとわからなかったマックスは、偶然彼の殺害を目撃します。殺しを見られたヴィンセントは、何かしたら殺すとマックスを脅迫。騙されて彼の運転手をするマックスは、無事に助かるのでしょうか…。
そしてヴィンセントが依頼されたターゲットの5人は、一体どのような人物でしょうか?
「コラテラル」の意味は?
映画の題名「コラテラル」は、英語の“Collateral”です。Collateralの意味は、辞書で調べると次のように説明されています。
- 担保(物件)、見返り物件
- 傍系親族[縁者]◆直属でない親族
- 付随事実
- 〔不運な〕巻き添え
- 〔商品・サービスなどの〕販促用品[グッズ・カタログ]
- 《医》側副、側枝
(出典:英次郎on the web https://eow.alc.co.jp/search?q=collateral)
映画の題名を最初見た時、意味がわからず調べましたが、辞書の意味もバラバラですので全くわかりませんね。
マックスが「コラテラルだ(巻き添えだ)!」と叫んでいるシーンを見て、ようやく題名に納得しました。
映画全体を通して、マックスが何も知らず、仕事ができるためにヴィンセントの殺人に加担させられたことを示していますね。
プロの殺し屋・ヴィンセントの魅力
殺し屋のヴィンセントは、人間らしい一面を持つ反面、殺しは異常なほど冷酷になります。
- 入院しているマックスの母親の病院に見舞いに行き、花を渡す
- 自分の仕事を邪魔する人は、誰であろうと殺害する
- ターゲットを殺すときの打つ位置は常に一緒(ずれても約2㎜)
ヴィンセントは、父親から虐待を受けて里子に出されたと話していました。彼の極端な性格は、幼少期の経験が影響していますね。マックスから、彼の極端な合理的性格が理解できないと言われてしまいますが。
タクシー運転手・マックスの人間性
マックスは、お客を大切にするタクシー運転手として働き続けています。さらに、性格が良いため初めて会った検事のアニーにも気に入られました。
- ロサンゼルスは我が家である
- 将来はリムジン・サービスの会社を持つことが夢、そのために運転手を12年続けている
- 入院中の母親を喜ばせるために、リムジン・サービスの会社が成功しているとウソをつく
ヴィンセントは、マックスのせいで自分の仕事が上手くいかないことに腹を立てていますが、なぜか殺せないんですね。彼の人間性に魅かれると、プロの殺し屋でも本当の実力が出せないのかもしれません。
ヴィンセントの名言
ヴィンセントは、いつ自分が殺されるかわからない日々を生きています。プロの殺し屋として“実績を築いたからこそ言える言葉”が映画ではいくつも登場します。
多くの人々が10年後も今と同じ仕事、暮らしをしている。繰り返す変化のない日常に安心出来るから。だがその10分後は誰が知ってる?
ジャズバーで演奏を聴いている時に、ヴィンセントがつぶやいた言葉です。誰もが今日と同じ生活を明日も過ごせると思っていますが、数分後のことは予想していませんよね。
地球上から人間が1人や2人消えたところで、何の変化も無い
マックスがヴィンセントの殺しについていけない、とつぶやいた時に放った言葉です。彼は、知り合いでもない人を殺してなぜ怒るのかがわからない、という考えでした。
きっといつかは夢が叶うって? そうしてある日ふと気付くのさ。 夢は叶わないままいつの間にか歳をとった自分に。 叶わないのは、自分が何もやろうとしなかったからだ
ヴィンセントは、4人目を殺害し、さらにマックスを助けようとした刑事まで殺しました。彼は、いら立つマックスにタクシー運転手に甘えて夢を叶えようと動かない人間に文句を言われたくない、と返しています。
映画『コラテラル』への評価・コメント
- Amazon:3.8
- Yahoo!:3.58
- 映画.com:3.4
トム・クルーズが今までの正義のヒーロー役から悪役を演じたことで、注目を浴びました。
コメントは「殺しのシーンでは、トムがターミネーターに見えた!」「笑わないトムがかっこいいけど怖い」など、トム・クルーズが普段演じる役とのギャップに評価がみられます。
作品の内容については「話の流れが飛びすぎて読めなかった」「最後で伏線を全て拾ったのでびっくりした!」など、ストーリーの急激な展開に驚く人が多かったようですね。
映画『コラテラル』の視聴方法
Amazonで字幕版、吹替版の両方視聴が可能です。その他にHuluでも視聴が出来ます。字幕版、吹替版のどちらでも問題ありませんが、個人的には字幕版をおすすめしますね。
吹替版で視聴したら、最後まで題名の意味がわからなかった可能性がありました。
私は字幕版で視聴しましたが、マックスのセリフで「コラテラルだ!」と叫ぶシーンがあります。このシーンの時、コラテラルの後に、わざわざ「巻き添えだ!」と字幕版では表示されました。
これで題名の意味が「巻き添え」と理解できたので、今回非常に勉強になりましたね。
映画を見た後の個人的な感想
私の感想として、ストーリーに謎を残したまま進む展開は面白かったです。
最初にアニーがマックスの乗客で登場しましたが、彼女とヴィンセントの関係がわからず、クライマックスに近くなって、あ!とつながりました。ドキドキ感を最後まで持たせる工夫があります!
雰囲気が良いシーンから急に銃撃シーンに変わるので、ストーリーの動きが大きく、視聴者を飽きさせない所も作品の魅力ですね!
また、トム・クルーズの悪役は、今までの正義感あふれるエネルギッシュなイメージが良い意味で崩れるので、彼の新しい一面を知ることが出来ます!ぜひ視聴をおすすめしますね!