突然ですが、もしあなたの恋人が亡くなったとしたら、もう一度だけでも話をしたいと思いますか?
・・・可能であるかどうかは別として、もしそんなことがあったらロマンチックだと感じるのではないでしょうか。
今回紹介する映画「ある天文学者の恋文」は、死んだはずの恋人から送られてくるメッセージを基に展開するラブストーリーと、どうして死人からメッセージが届くのかという謎が魅力の作品です。
また、監督を務めたのはあの映画史に残る名作、「ニュー・シネマ・パラダイス」(※後述)を手掛けたジュゼッペ・トルナトーレ。一体どんな作品なのか気になりませんか?
(トップ画像出典:https://images.app.goo.gl/RQ3U2gNYqJCpHrBc8)
「ある天文学者の恋文」のストーリー
天文学を学ぶ大学生、エミリー(オルガ・キュリレンコ)は教授のエド(ジェレミー・アイアンズ)と秘密裏に付き合っています。
2人は深く愛し合っていましたが、ある日突然エミリーはエドが亡くなってしまったことを耳にしました。
途方に暮れたエミリーでしたが、死んだはずのエドからその後もメールや手紙が届いてきます。
著名な天文学者エドと彼の教え子エイミーは、皆には秘密の恋を謳歌していた。しかし、そんなエイミーの元に突然届いたエドの訃報。現実を受け入れられないエイミーだが、彼女の元にはその後もエドからの優しさとユーモアにあふれた手紙やメールや贈り物が届き続ける。エドの遺した謎を解き明かそうと、エイミーは彼が暮らしていたエディンバラや、かつて二人で時間を過ごしたイタリア湖水地方のサン・ジュリオ島などを辿りはじめ、そこで彼女が誰にも言えずに封印していた過去を、エドが密かに調べていたことを知るが―。
(出典:https://gaga.ne.jp/tenmongakusha/)
現代技術が可能にした永遠の愛
死んだはずの人物からメッセージが送り続けられるという設定が、この作品の大きな特徴です。
手紙だけではなく、メールやビデオメッセージまで送信日時が設定され、送られ続けます。現代の科学技術が可能にした、死後も続く永遠の愛の形と言えるでしょう。
「この映画は、まさに現代の愛についての物語だ。20年前ならSFかでっち上げのストーリーだと言われただろう。ところが、今やテクノロジーが進化して、愛を永遠に存続させるのが可能ではないか、という幻想を私たちは抱き始めている」とジュゼッペ・トルナトーレ監督は語る。アイディアはずっと昔からあったが、当時は現実的ではなかったのだ。しかし、Eメールに携帯電話、スカイプにビデオメッセージと、通信技術が進化したおかげで、長年温めていた企画の映画化が実現し、どんな障害も乗り越える力強い想いを描いた物語が誕生した。
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死の間際の数か月間、エドはエミリーのことを思ってメッセージを貯め続けていたというところに、深い愛情を感じますね。
それも、単なるメッセージではなく、エミリーがいつどこでメッセージを受け取るかまで予測した上でメッセージが届けられるというのが、この映画で最も面白いところです。
なんでもお見通しなエド教授
エドは生前からエミリーによくメールや手紙を送っていました。そのメッセージのどれもが、エミリーが今何をしているのか、どんなことを考えているのかを見事に言い当てるのです。
エミリーが今どこにいるのか、これからどんなテストを受けるのか、エミリーがその日鍵を失くしたことなど、本人にしかわからないはずのことをエドは言い当ててしまいます。
そんな知的でユーモアあふれるエドのことを、エミリーは「魔法使いさん」と呼び、楽しんでいました。
行動パターンは全てお見通しとでも言うほど、エミリーのことを深く、常に考えていたエドのエミリーに対する愛情が、この作品の見どころです。
ほとんどのシーンが独り言?!の「ある天文学者の恋文」
エミリーとエドによるメッセージのやり取りが作中では大半を占めます。必然的に、主演の2人が直接話すことはほとんど無く、独りごとの演技が増えることになります。
オルガは今回、かなりのシーンを一人で演じている。ジェレミー・アイアンズ扮するエドからのメッセージを見ているシーンが多いからだ。ビデオメッセージは、他のシーンよりも先に撮影され編集されていた。だから、オルガがジェレミーと話すときはいつでも、彼女はすでに編集されたシーンの中の登場人物と交流していたのだ。この撮影方法の中で思いがけない驚きがあるのではないかと考えたトルナトーレ監督は、しばしばリハーサルを行わずに撮影した。トルナトーレ監督は言う。「彼女のリアルで自然な反応を捉えたいと思ったんだ。
(出典:https://gaga.ne.jp/tenmongakusha/)
死んだはずの恋人から送られるメッセージへの反応という難しい演技ですが、主演のオルガ・キュリレンコは役作りを徹底し、見事にエミリーという女性を演じ切りました。
オルガは役作りのために、天体物理学の論文など数多くの資料を読んだと言う。「難しかったけれど、同時におもしろかったわ。私は自分の話していることを理解したかったの。特にエイミーが試験で答える内容はね。
(出典:https://gaga.ne.jp/tenmongakusha/)
主演のオルガ・キュリレンコってどんな人?
エミリー役を務めたオルガ・キュリレンコは、「007 慰めの報酬」や「オブリビオン」で知られるウクライナの女優です。
「ある天文学者の恋文」では、彼女のファンなら必見!というほどオルガ・キュリレンコがクローズアップされています。
先ほどまで述べてきたように、とにかくオルガ・キュリレンコが1人で演技をするシーンがたくさん登場するのがこの映画の大きな魅力です。
メッセージに対する反応、返事以外にも、教授の死を聞いた後のシャワーシーン、美術モデルとしてヌードになるシーン、随所に登場する激しいスタントシーン、
なぜ恋愛ミステリーにスタントシーンがあるのかは、本編で明らかになります。
などなど、オルガ・キュリレンコの魅力を堪能できるシーンがたくさん登場します。
「ある天文学者の恋文」で主演を務めた2人の関係
オルガ・キュリレンコと並んでもう1人の主人公・エド教授を務めた人物がジェレミー・アイアンズです。
「バッドマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」や「ダイ・ハード3」で知られ、これまでアカデミー賞、ゴールデングローブ賞をはじめ、多くの映画賞を何度も受賞してきた超ベテラン俳優です。
今作のエド役では、「そりゃモテるわ」と言いたくなるぐらい、イケメンでダンディなおじさんを演じ切っており、見事にはまり役でした。
また、監督のジュゼッペ・トルナトーレは、オルガ・キュリレンコとの相性について言及しています。
まさに探していた人を見つけたと分かる時が来るんだよ。そしてとても喜ばしいことに、ジェレミーとオルガの相性が素晴らしかったんだ。化学反応のような不思議な作用が働いて、薬の調合がうまくいったみたいに。
「ある天文学者の恋文」のおすすめシーン
オルガ・キュリレンコの演技がずっと素晴らしい「ある天文学者の恋文」ですが、その中でも特にぼくの気に入ったシーンを紹介しちゃいます。
エミリーが男友達と食事をしているとき、エドからのメッセージを受け取り、席を外したシーンです。
エミリーはあまり愛想のいい人物ではなく、あまり笑わない人だと男友達にも思われていました。
しかしエドからのメッセージを開いた途端、それまでの硬い表情は消え失せ、一気に子供のような笑顔に変化します。この笑顔を見た男友達の放ったセリフが、
「(エミリーを)笑わせられるやつは、幸運だな」
というもの。オルガ・キュリレンコの感情豊かな演技が見れるシーンであると同時に、エミリーがいかにエドを愛しているかがよくわかる描写だと思います。
監督のジュゼッペ・トルナトーレとは?
「ある天文学者の恋文」で監督を務めたのは、ジュゼッペ・トルナトーレというイタリアの映画監督です。
映画好きが映画ランキングを作ったら、ほぼ毎回トップ10に登場するほどの不朽の名作・「ニュー・シネマ・パラダイス」で知られる人物です。
中年を迎えた映画監督が、映画に魅せられた少年時代の出来事と青年時代の恋愛を回想する物語。感傷と郷愁、映画への愛情が描かれた作品である。
後述の劇場公開版が国外において好評を博し、しばらく停滞期に入っていたイタリア映画の復活を、内外一般に印象付ける作品となった。映画の内容と相まってエンニオ・モリコーネの音楽がよく知られている。
「ニュー・シネマ・パラダイス」は、日本では1989年に東京のシネスイッチというミニシアターで公開されました。
単館公開にもかかわらず、観客動員数は約27万人、興行収入は3億6900万円を超えるという伝説的な記録を残しています。
そんな映画史に残る名作を作り上げたトルナトーレ。彼のことが気になった方、あるいは元々ファンだったという方は、「ある天文学者の恋文」を視聴してみることをおすすめします。
「ある天文学者の恋文」の感想は賛否両論?
以上、「ある天文学者の恋文」のいいところばかりを語ってきました。映画を観た直後はぼくも「なんてロマンチックなお話なんだ・・・!」と無邪気に感動していましたが、感想を見たら意外と賛否両論ありました。
映画の良いところだけを知って、いざ観てみたら期待外れ・・・なんてことにならないよう、賛成意見、否定的な意見の両方を紹介していきます。
- Filmarks-3.4
- Yahoo!映画―3.28
- 映画.com―3.4
最初は忘れさせてよ…しんどいってぇ…って思ってたけど途中から涙止まらんかった😢超新星爆発の光は後から私たちに届くし届く頃にはその中心は既に「無」なんだよね。
恋愛映画だけどこれは環状だけじゃなくて理論的に愛を伝えてるからきっと男女とも号泣だ…。
(出典:https://filmarks.com/movies/61641)
年の差がありすぎて最初は戸惑ったけど、でもエドの愛が美しくて泣いてしまった。
街並み、音楽、役者みんなが美しい。
エドの哲学的で難しい言い回しのポエムじみた手紙が好きだった
(出典:https://filmarks.com/movies/61641)
純愛すぎる!!
最初は年の差に驚くけど、主人公らがいかに愛し合っているかが分かるし、きっと誰もが、これくらい人生で一度は愛されてみたいと思うはず。愛してるからこそ、バイバイは言わないし、死を認めたくないし、信じたいし。
今どき現実ではなかなか見れない大人の純愛映画でした。笑
(出典:https://filmarks.com/movies/61641)
賛成意見を述べる方々は、エドの行為が純愛に基づいていると解釈したようですね。
死後も送られ続けるメッセージが、何光年も離れた星の爆発に例えられていることにロマンチックさを感じるという意見が見られました。以下、否定的な意見を見ていきます。
教授と教え子の恋愛。
二人共凄く頭がいい設定なのだろうけど
会話で出てくる
ファンタジーのような会話が気持ち悪い。
娘さんも普通許さないでしょ?
色々とストーリーに無理がある。
島の映像は綺麗で
旅に出たくなった。
(出典:https://movies.yahoo.co.jp/movie/357363/review/384/?c=19&sort=lrf)
ひたすらきもい
この監督の正体がだんだん分ってきたね
そういう興味の無い方は見ない方がよいよ
鬱にはならないにしても、いらいらはするよ
(出典:https://movies.yahoo.co.jp/movie/357363/review/461/?c=6&sort=lrf)
ミステリー仕立ての恋愛映画のアイデアとしては面白いが、どうもそれを生煮えのまま脚本にした感じで、完成度は決して高くない印象だ。ジェレミー・アイアンズの役のあの行為を愛情と受け止めるかどうかは人それぞれだが、自分には全く理解できない。死後も愛人に執着する不倫男の身勝手ばかりを感じて、むしろ不快だった。「初老の男とその愛人」という設定が良くないのかもしれない。これが若い恋人同士の話ならば、「一途な愛」として爽やかな見方もできただろう。
これまでオルガ・キュリレンコをちゃんと意識して観てこなかったが、いかにも東欧系の愁いのある雰囲気もいいし、脱ぎっぷりも良いし(笑)、この作品でも彼女の存在は秀逸。今後ますます活躍が期待できる女優であることは間違いない。
最近はこういうミステリーロマンス路線を撮り続けている巨匠トルナトーレだが、この路線での決定打はまだない。そろそろ「ニューシネマパラダイスの監督」という肩書で彼の作品を観ない方が良い時期かもしれない。いつも新作の度に傑作に違いないという期待はしているのだが・・・
(出典:https://movies.yahoo.co.jp/movie/357363/review/417/?c=12&sort=lrf)
否定的な意見を述べる方々は、そもそも教授と教え子の不倫関係が受け入れられないという立場を取っています。
不倫相手に死んだ後も送り続けるメッセージを、愛情表現として片づけていいものなのか?という意見が見られました。
エドとエミリーの関係をどう思うかは物語の根本に関わることですが、2人の関係を受け入れられるのであれば間違いなく楽しめる作品ですよ。
まとめ~「ある天文学者の恋文」を今から観るなら~
以上、「ニュー・シネマ・パラダイス」で知られるジュゼッペ・トルナトーレ監督の「ある天文学者の恋文」について解説してきました。
1人の物理学者が、愛する者に向けて死後も送られ続けるメッセージを作り上げるというのが見どころです。
メッセージのやり取りから生まれる、オルガ・キュリレンコとジェレミー・アイアンズの独りごとによる演技が高く評価されました。
最後に「ある天文学者の恋文」を視聴できるVOD(ビデオオンデマンドサービス)をまとめておきましたので、気になった方はぜひ視聴してみてはいかがでしょうか?
- NETFLIX
- U-NEXT
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- FOD
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