2018年に公開された映画『不能犯』は、ある能力を利用して殺人をする「不能犯」の男と、彼を追う女性刑事との対決を描いたサスペンススリラーですよ。
この記事ではそんな映画『不能犯』のあらすじから、原作になった同名マンガとの違いまで紹介し、世界観の一部を味わえるようになっています。
本作について詳しく知りたい方は、ぜひ最後まで読んで視聴する際の参考にしてくださいね。
(トップ画像出典:https://unsplash.com/photos/udXD2NrbXS8)
「不能犯」とは
映画『不能犯』について紹介していく前に、タイトルにもなっている「不能犯」という言葉の意味を説明します。
不能犯とは、刑法学において存在する概念のひとつで、行為者が「犯罪行為をする」と明確に意図したうえでその行為の実行に着手したが、その行為では結果を生じさせることが不可能である場合をいいます。
不能犯について、日本の刑法においては明文化はされていませんが、海外諸国の刑法においては明文化されている場合もあります。
出典:https://utsunomiya.vbest.jp/columns/criminal/g_other/2240/
簡単にいうと「犯罪行為をするためにとった行動と結果が合わない」ことですね。例えば”呪い”がこれに当たります。
”人を殺す”ために”わら人形を釘で木に打ちつけた”としても人は死にません。なので、わら人形を釘で木に打ちつけた後に人が死んだとしても、犯罪にはならないですよね。
これが「不能犯」という言葉の意味です。日本の法律では「不能犯」は刑罰には問われないので、逮捕されることも何かしらの罰が与えられることもありません。
映画『不能犯』あらすじ
東京で”死因が見つからない”変死事件が次々と発生。しかもどの現場でも必ず、不気味な黒スーツの男が目撃されていました。
その黒スーツの男は、ある電話ボックスに殺人の依頼を書いた紙を貼ると実行してくれる「電話ボックスの男」と、SNSで噂されている人物です。
彼はある能力を使って人を殺しますが、その死因は病気や自殺・事故など、どれも殺人が立証できない「不能犯」でした。しかし警察は、半ば無理やり黒スーツの男を確保して任意聴取を始めます。
ベテランの警官たちも男の能力に翻弄されますが、ある女性刑事には彼の能力が効かず、この「不能犯」を終わらせるために彼を追い始める…というあらすじです。
映画『不能犯』キーパーソン
この項目では映画『不能犯』のキーパーソンとなる2人を紹介します。この2人が主役となって、映画『不能犯』のストーリーは進んでいきます。
- 宇相吹正
- 多田友子
「不能犯」として、依頼を受けながら殺人を続ける宇相吹正(演:松坂桃李)と、彼の能力が効かない女性刑事・多田友子(演:沢尻エリカ)。
絶対的な悪である殺人者と正義の象徴である刑事との対比が、本作の魅力の1つです。次の項目からこの2人について詳しく紹介していきますね。
映画『不能犯』主人公:宇相吹正(うそぶきただし)
本作の主人公であり「不能犯」として人を殺しているのが宇相吹正です。タイトルにもある「愚かだね…人間は」は、彼の口グセですよ。演じているのは松坂桃李さんですね。
常に黒いスーツを着た経歴不詳の男で、電話ボックスに貼られた依頼を受けて殺人を実行していきます。彼の能力であり人を殺す手段は「思い込みとマインドコントロール」。
つまりターゲットに「自分の近くで爆弾が爆発した」や「タバコの吸い殻が大量に入った水を飲んでしまった」と思い込ませることで、死に追いやります。
思い込みとマインドコントロールでの殺人なので、証拠を上げられない「不能犯」として依頼を受けてきました。
映画『不能犯』もう1人の主人公:多田友子(おおたともこ)
本作のもう1人の主人公であり、宇相吹の能力が効かない女性刑事が多田友子です。演じているのは沢尻エリカさんですね。
彼女は”死因が見つからない”変死事件の捜査をする中で、現場に不気味な黒スーツの男がいることに気付きます。
そして宇相吹の警察での任意聴取を担当するなかで、他の人間には効くはずの能力が効かないことが分かりました。
宇相吹に対して真正面から立ち向かえる彼女は、その特性を活かして彼を逮捕するために尽力します。
映画『不能犯』の脇を固める豪華すぎる俳優
映画『不能犯』は主役を演じる2人だけでなく、脇を固める俳優もすごく豪華です。それが以下の方達ですね。
- 矢田亜希子
- 安田顕
- 小林稔侍
- 新田真剣佑
- 間宮祥太朗
- 真野恵里菜
- 芦名星
日本を代表する俳優や、新進気鋭の若手までが勢揃いしており、主役の2人が出てこないシーンでも退屈することがありません。
しかも、それぞれ演じるキャラクターが何かしらの問題や忘れたい過去を持っています。
そこを突いて、宇相吹がどんな思い込みやマインドコントロールをしていくのかも、本作の面白さの1つですよ。
映画『不能犯』と原作との違い
実は映画の『不能犯』と、原作になった同名マンガには多くの違いがあります。それを紹介していきますね。
原作では多田刑事が男性
筆者は原作を読んでから映画館で本作を見たのですが、もっとも驚いた違いは映画の『不能犯』では多田刑事が女性だったことです。
原作の多田は男性なので、映画で沢尻エリカさんが出てきたときに「誰役なんだろう?」と思っていました。
多田刑事の性格まで反対になっている
映画の多田刑事は、周りの刑事にズバズバ意見を言うような勝ち気な性格です。しかし原作の多田刑事は、映画とは反対で頼りない印象の刑事として描かれていますよ。
宇相吹の性格が少し違う
映画での宇相吹は、とても冷酷な人物として描かれています。しかし原作では、殺人の依頼人を哀れんだり同情したりする場面もありますよ。
また原作では猫と一緒に暮らしていたり、多田に冗談を言うなどコミカルな一面もあります。映画ではその一面が描かれず、ただ冷酷なだけという性格になっていますね。
映画『不能犯』口コミ
この項目では映画『不能犯』を見た方の口コミを紹介していきます。
この映画の主人公・宇相吹の場合は、マインドコントロールで相手に幻想・幻覚を見せて死に至らしめるのだが、そのバリエーションでなかなか楽しませる。
引用元:https://eiga.com/movie/85901/review/
相手のことを知らずに、殺意だけを剥き出しにし、知ってからではもう遅い。欲望というものがどれだけ怖いものか思い知らされた。知らないことは怖い。優が自殺した時の宇相吹の「愚かだねぇ」がとても刺さった。ヒーローに見えすらもした。多田と宇相吹とタケルが相対した時なにがなんだかわからなくなった。正しさとはいったいなんなのか。
引用元:https://eiga.com/movie/85901/review/02270182/
このように「面白かった」という意見が多いですね。筆者も同じく、本作を見終わったときに「良い映画だった」と思いました。
しかし、原作を読んでから映画を見た方の中には、こんな意見を持つ人もいます。
原作を変えすぎ!
引用元:https://filmarks.com/movies/70899/reviews/95619040
先ほども紹介しましたが、筆者も多田刑事が女性になっていて驚きました。原作を読んでいる方からすると、少し違和感があるかも知れませんね。
映画『不能犯』を視聴するなら
さて、ここまで読んでくると、だんだん映画『不能犯』を視聴してみたくありませんか?
そこで映画『不能犯』を視聴できる動画サイトを紹介します。それが以下の3つですね。
この3つの動画サイトには「30日のお試し期間」があり、その期間内なら無料で見ることができますよ。ぜひどれかのサービスに登録して視聴してみてはいかがでしょうか?
映画『不能犯』まとめ
今回の記事では、映画『不能犯』のあらすじや出演俳優、口コミについて紹介しました。
松坂桃李さんと沢尻エリカさんの迫真の演技、そして思い込みによってなにが見えているのかをCGで細かく表現しています。見ている間ずっとハラハラドキドキできる作品になってますよ。
また、映画と原作の違いも紹介したので、映画と併せて原作もぜひ見ていただければと思います。
映画だけで見られるシーンと、原作だけで見られるシーンの両方を堪能するのも『不能犯』という作品の楽しみ方ですね。