今回は、映画『イノセンス』のご案内です。時には、クオリティの高い作品とじっくりと向かい合ってみたい時がありますよね。『イノセンス』は、そんなあなたにお勧めしたいSFアニメ映画です。
近未来社会を哲学的な視点で描いた『イノセンス』は、圧倒的な絵の美しさ、ストーリーの面白さ、哲学的な問いかけ、全てにおいて素晴らしい、押井守監督の最高傑作といってもよい映画です。
この記事では、ストーリーやメインキャラクターの情報、作品の見どころ、筆者の感想、無料で観られる動画配信サイトについて書きました。
この記事を読めば、映画『イノセンス』の面白さがよくわかりますよ。ぜひ最後まで読んでくださいね。
映画『イノセンス』の作品情報
まず最初に、映画『イノセンス』の作品情報を簡単にご案内します。
- 監督…押井守
- 原作…士郎正宗
- メイン声優…バトー:大塚明夫(演)・トグサ:山寺宏一(演)・草薙素子:田中敦子(演)・荒巻大輔:大木民生(演)
- 制作…2004年・日本
- 上映時間…99分
- 前作…攻殻機動隊(GHOST IN THE SHELL)
映画『イノセンス』は近未来を描いた、SFアニメの金字塔『攻殻機動隊』の続編として制作・公開されました。
映画『イノセンス』のストーリーを紹介
それでは、SFアニメ映画『イノセンス』のストーリーをご紹介します。
電脳化した世界で起きた事件
人間の身体は、多かれ少なかれその一部が機械となり、脳はコンピューターと繋がっている、そんな世界。
そこで、ある事件が起きました。セクサノイドと言われる、少女型の愛玩用アンドロイドが持ち主を殺害するという事件が多発したのです。
バトーが捜査を開始する
事件の報告を受けた、政府直轄の諜報機関である、公安9課のバトーは、事件解決にむけて捜査に乗り出しました。
犯行現場でバトーは、少女型のアンドロイドが「助けて」という言葉を残して自壊するのを目撃します。
バトーは、アンドロイドの製造元のロクス・ソルス社を調べるため、相棒のトグサとともに、択捉(エトロフ)に飛ぶのでした。
映画『イノセンス』の登場人物の紹介
それでは、映画『イノセンス』の登場人物の紹介をします。前作、攻殻機動隊は草薙素子が主人公でした。
押井守監督が2018年3月19日のシネピックのインタビューで語っところによると、攻殻機動隊続編の映画『イノセンス』は、「主人公不在を描いた世界」なのだそうです。
それでも、「イノセンス」でもっとも重要で、主役といっても良いのは、やはりバトーでしょう。
バトー
アンドロイドによる殺人事件解決のため捜査にあたる、公安9課の諜報員。前作では草薙素子の同僚でした。
トグサ
トグサはバトーの相棒です。家庭を持つ良き父でもあるトグサは、バトーに引きずり回され、散々危険なめにあいながらもバトーと協力し、事件の解決に挑みます。
草薙素子
前作映画「攻殻機動隊」では女性型サイボーグの現場の指揮官で、もと公安9課の諜報員でした。
ある事件をきっかけにバトーの助けをかりて、謎の失踪を遂げます。映画『イノセンス』では、電脳世界からバトーを助けます。
荒巻大輔
荒巻大輔は、公安9課の部長でバトーの上司です。部下からの信頼もあつく、親しみをこめて「オヤジ」と呼ばれています。
映画『イノセンス』のみどころ
映画『イノセンス』のみどころは、何といっても圧倒的な映像の美しさです。とくに択捉島(エトロフトウ)の上空からの描写や、フェスティバルの情景は圧巻です。
映画『イノセンス』はとても哲学的で、小難しい言い回しがたくさんあります。
それでも、その小難しい言葉と向き合ってみると、映画がより深く理解できて、「ああ、そういうことか!」とハッとすることがあります。そういった、「なるほどなぁ」という気づきもこの映画の魅力です。
映画『イノセンス』の見方
映画『イノセンス』の言葉は難しく、哲学書や聖書、小説などからの引用があって、さらっと映画を見ただけではわけがわからないことが多いです。
さらっと見ることだけでは物足りない、意味をよく知りたいという方は、何度も映画を見返してください。一度みただけではわかりません。
wikipediaや、イノセンス解説のサイトなどを見ると、言葉の意味を解説してくれているので、それらを参考にしながら見ることをおすすめしたいです。
映画『イノセンス』のテーマを解説
映画『イノセンス』は哲学書や聖書から引用されている要素が数多く散りばめられており、かなり複雑なストーリー構成となっています。
例えば映画の冒頭ではフランスの作家リラダンの著書『未来のイブ』からの引用が登場します。
われわれの神々もわれわれの希望も、もはやただの科学的なものでしかないとすれば、われわれの愛もまた科学的であっていけない理由がありましょうか。
出典:未来のイブ リラダン
このように『イノセンス』では「愛、科学、生命」など、私たちが普段生活する時には考えもしないような深いテーマを取り扱っています。
このリラダンの引用の意味は、ラストシーンと繋がっているので、ぜひ注目して映画をみてくださいね。自分が今までの考えたことも無い話に深く突っ込んでいく作品です。
実際筆者は1回見ただけではチンプンカンプンでした。でも何回か見返しているうちに、「アレ? そういうことがいいたかったの?」と思うところがだんだんでてきました。
難しいけれど、それを考えながら何度も見ていると、わかってくるところもある、「哲学的に難解なことを考える」のがこの映画の楽しみ方の一つだと筆者は思います。
映画『イノセンス』に登場するキムの館の考察
捜査をするうちにバトーが辿り着いたのが、ハッカーのキムでした。
会話するキムのバトーの間には、独特の緊張感が漂います。難解な会話も相まって「これぞイノセンスだ!」と言いたくなる名シーンです。
キムの館は機械=キムの外部記憶装置
キムの館の扉を開けたとたん、オルゴールがなり出します。時計のゼンマイが階段の前にあり、動いています。
キムの屋敷自体がゼンマイ仕掛けの時計のように描かれていて、おそらくこの屋敷自体が、キムの巨大な外部記憶装置で、キムの脳と繋がっているという設定だと筆者は思います。
難解なキムとバトーの会話
キムとバトーの会話は、難解を極めます。あなたがこのシーンを見て「???」となったとしても、それが普通です。
筆者も、哲学大好き、イノセンスが大好きという人に解説してもらわなければ、会話の意味が理解できませんでした。
細かい解説は、ややこしいので省きますが、解説によると、要するにキムは死体に憧れている人なのだそうです。
映画『イノセンス』を視聴した筆者の感想
それでは、ここで筆者の感想をお伝えします。映画『イノセンス』はドキドキするくらい美しく、とても難解な映画でした。
圧倒的映像美
中国の春節際を思わせる択捉島(エトロフトウ)のシーンは圧巻です。これほど映像のクオリティの高いアニメを私はみたことがありません。
映画館の大きいスクリーンで観たら、きっとすごい迫力で、ぜひ一度映画館で観てみたいと思いました。
1人で読み解くのは難解すぎた
難解な作品なので、1人でこのアニメを全部読み解くのは、よほど哲学が好きで、日頃哲学的な思考トレーニングしている人じゃないと、難しいんじゃないかと筆者は思います。
筆者は、イノセンスが大好きという人の意見を聞いたり、ネットで監督のインタビューや、映画の解説がでているので、読みながら映画を観かえしました。
全部わかったわけではありませんが、「ああ、そういいうことか」とわかり、ちょっとすっきりしました。
テーマに一貫性があり、とても考えさせられた映画
とても緻密な、レベルの高いアニメ映画です。冒頭の問いかけの答えをラストに持ってきて、現実問題として電脳化されていく私たちの、「存在」への問いかけになっているところもよかったです。
映画『イノセンス』を無料で見る方法
映画『イノセンス』は動画配信サービスに会員登録をすれば、一定期間は無料で見ることができます。
また、作品の配信期間が終了すると観られなくなってしまうので、気になっている作品は、無料期間終了前に見ることをお勧めします。
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映画『イノセンス』まとめ
この記事では、映画『イノセンス』のあらすじや見どころ、考察、感想、無料お試し動画サイトについて書きました。
映画『イノセンス』は哲学的で、聖書や釈迦の言葉、小説、哲学書などからの引用が多数あり、難解な映画です。
けれど、引用されている言葉の意味を調べながら、何度も見返すことで、だんだんとわかってくる、とってもお面白い映画ですよ。
さらっと観られる映画ではありません。じっくりと観てくださいね。最後まで読んでくださってありがとうございました。