今回紹介する『写真の女』は、串田壮史監督の長編デビューとなる令和インディーズ映画。
50以上の国際映画祭に正式出品され、グランプリを含む15冠を達成した注目の作品ですね!この記事を読んでもらえれば、より本作品を楽しめますよ。
『写真の女』のあらすじをはじめ、キャストや見所などを紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね!
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/カメラ-保持-人-写真-1030956/)
『写真の女』の作品情報
まずは映画『写真の女』の作品情報について簡単に紹介しますね!
- 監督・脚本:串田壮史
- プロデューサー:西村伸・佐藤洋輔
- 助監督:高橋知子
- 上映日:2021年1月30日
本作品は、“令和インディーズ映画の異端児”とも呼ばれる、串田壮史監督の長編デビュー作。
世界中の映画祭から上映オファーが相次ぎ、若手映像クリエイターの登竜門「第17回SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」でSKIPシティアワードも受賞した、注目のインディーズ映画ですね!
『写真の女』のあらすじ
時が止まったような写真館で、レタッチ(写真の加工修正)を行う女性恐怖症の男・械。ある日、体に傷がある美女・今日子と出会い、画像処理によって傷のない美しい姿を生み出す。
その加工された自身の姿に魅力される今日子は、心の奥底で自分の存在が揺らぎ始める。
「理想の自分」と「現実の自分」、2つの自分の溝に落ちた今日子は、精神的混乱に陥ってしまう。やがて、完全に自分の存在意義を喪失してしまった今日子。
そんな彼女を見て自分だけが今日子を救うことができると感じた械は、“死を覚悟して”女を愛し、彼女の全てを写真に収め続けることを決意する。
『写真の女』のキャストを紹介!
簡単にあらすじを紹介したところで、本作品のキャストを紹介しますね!
- 械(写真レタッチをする50歳の男):演…永山秀樹
- 今日子(体に傷を持つ美女):演…大滝樹
- 西条(近所の葬儀屋の男):演…猪股俊明
- ひさ子(お見合い写真を撮る女性):演…鯉沼トキ
械を演じる永山秀樹さんは、劇団「青年」に所属している俳優。今日子を演じる大滝樹さんは、海外でクラシックバレエのプロとして活動し、帰国後は役者として活躍している方ですね!
著名人からのコメントも続々!独特な世界観が多くの方を魅了
世界中から上映オファーが相次いだ『写真の女』。独特な世界観となっていて、日本の著名人や映画界の人たちも魅了された方が多いようです。
きっと途中から「あなた」の物語に変わる。
出典:https://womanofthephoto.com/#intro(有村昆・映画コメンテーター)
驚くべき完成度の作品。
出典:https://womanofthephoto.com/#intro(SKIPシティ国際Dシネマ映画祭)
公式サイトには様々な感想が掲載され、他にも「今年、最高の映画のひとつ」「今、最も有望な監督」などのコメントが寄せられていました。
観る人によって感じることが異なるのも、本作品の魅力の1つ。日本でも多くの方に注目された作品なので、映画好きの方は要チェックですね!
昭和風でありながらSNS世代を象徴する見応えのあるストーリー
本作品は、どことなく昭和の香りを漂わせる世界観で、写真の「レタッチ」が中心となるストーリーとなります。
「レタッチ」とは写真の加工修正のことで、現代ではアプリなどでレタッチする方も多いですよね。
傷を持つ美女・今日子は、レタッチをした自分の姿に魅了されますが、SNSに投稿しても思うような評価を得られないんです。
「真の自分」と「偽りの自分」のどちらを求められているのか。SNSの評価や自己のギャップに悩む姿は、まるで現代の若者の悩みを象徴しているようにも見えますよ。
名脇役!「カマキリ」が描く心理描写も見所
レタッチを行う械は、家庭を持たずに「カマキリ」を大切に飼っている独身男性。
このカマキリは、本作品の名脇役とも言える存在で、映画のクレジットにも「カマキリ指導」のエキスパートが名を連ねているんですよ。
作中でも描写されますが、カマキリには“メスがオスを食べてしまう習慣”があり、その姿はまるで“今日子に尽くす械の姿”と重なる部分があります。
この演出も見所で、人間同士の繋がりが時に美しく、時に残酷にも見えてしまうことでしょう。串田壮史監督による心理描写の描き方にも注目したいところですね!
『写真の女』の良いレビュー
ここからは、実際に『写真の女』を観た方のレビューを紹介しますね!
写真修正に足しげく通う女性の「他人に目に映る私が本当の私」という印象的なセリフなどに表現される、虚像と現実の境界と結局真実とは何か?みたいなテーマを、写真の修正レタッチやSNSなど、今どきのモチーフを扱ったメタファーで表現している。なのに何故かレトロな雰囲気が漂う不思議なトーンも魅力的。妙に耳につくSEの使い方や、一言も喋らない主人公など、演出面でもいろいろ挑戦的だった。
出典:https://filmarks.com/movies/89779/reviews/107457750
真の自分か偽りの自分のどちらが求められているのか、受け入れられるのか対峙させられ、それぞれの結果を出した2人の女性の人生が描かれていた。受け止め方は視聴者で異なると思うが、SNSの怖さを感じることができた。
出典:https://filmarks.com/movies/89779
良いレビューでは、「演出が印象的だった」「独特な世界観に魅了された」という意見が見られました。
確かにセリフのない主人公やカマキリの使い方、レタッチによる現代を象徴する表現など、どれも見応えのある演出に感じますね!
また、虚像と現実に悩まされる今日子たちの姿を見て、「SNSの怖さを知った」や「自分も同じようになりそう」と感じた方もいるようです。
昭和のような世界観ながら、現代の若者に突き刺さるおすすめの作品と言えるでしょう。
『写真の女』の悪いレビュー
良いレビューを紹介したところで、本作品への悪いレビューも紹介しますね!
最初から最後までずーっと、安易だなあ、微妙だなあ、と思いながら見てしまった。まあこういう古臭くって「ぽい」映画が好きな人はいるでしょうけど…not for meでした。
出典:https://filmarks.com/movies/89779/reviews/103449933
悪いレビューでは、「表現が曖昧でハマらなかった」「演出が好みじゃなかった」という意見が見られました。
ここまでの内容からも分かるように、良い意味で“クセの強い”作品なので、好き嫌いがはっきりと分かれるかと思います。
それでも「傑作だった」「強烈なオリジナリティがあった」など高評価も多いので、1度観てみる価値はありそうですね!
『写真の女』の上映・配信情報
2021年1月30日より上映されている『写真の女』は、現在(2021年3月時点)も一部の映画館で上映されています。
映画館で楽しみたい方は、公式サイトから上映情報を確認してみてくださいね!
尚、今のところは上映のみとなっていて、動画配信についての情報は公開されていません。
今後配信されるかは未定ですが、インターネットで楽しみたい方は、公式Twitterなどから最新情報をチェックしてみてくださいね!
世界からも注目を浴びたインディーズ映画『写真の女』のまとめ
今回は、2021年1月より上映されたインディーズ映画『写真の女』を紹介しました。
本作品は、コメディ・ホラー・ロマンスなど様々な要素を感じられ、オリジナリティ溢れる世界観となっています。
「本当の自分とは何か」と考えさせられる作品で、周りの目を気にしやすい若い方にとっては、いろいろと感じるものがあるでしょう。
観ている方の想像を掻き立てるような作品なので、ぜひ1度ご覧になってみてはいかがでしょうか?