日本映画(コメディ)

スマホを使うな!現代サバイバル映画「サバイバルファミリー」とは?

朝起きたらスマホが充電されていなかった!電車がいきなり遅延した・・・なんてことになると、正直めちゃくちゃイラつきますよね。

しかし、今回紹介する映画「サバイバルファミリー」で起きた事態は、そんなレベルではありません

なんと、世界中で電気そのものが一切使えなくなってしまいます。・・・電気の無い世界で現代人はどのように生きればいいのでしょうか?

この記事では、ある一家が一切電気の無いサバイバル生活に陥った様子を描いた、映画「サバイバルファミリー」の見どころと作品情報を紹介していきます。

(トップ画像出典:https://images.app.goo.gl/pHRkqH8KoBs3itA19)

「サバイバルファミリー」とは?作品情報

「サバイバルファミリー」について
  • 公開日:2007年2月11日
  • 上映時間:117分
  • 主演:小日向文世・深津絵里
  • 監督:矢口史靖

映画「サバイバルファミリー」は、突然電機が使えなくなった世界で、サバイバル生活をせざるを得なくなった一家を描いたコメディ映画です。監督は「ウォーターボーイズ」などで知られる矢口史靖。

サバイバルを撮影するにあたって、役者の方々は11月の川に飛び込んだり、走り回る豚を生け捕りしたり、虫を素手で捕まえたり…などと言った過酷な撮影に耐えたそうです。一体どんな物語なのでしょうか?

「サバイバルファミリー」のあらすじ

主人公の一家は鈴木家という平凡な家庭。ある日突然家の電気はつかない、目覚まし時計は鳴らない、充電はできないといった事態に陥り、停電を疑います。

ところがこの事態はただの停電ではなく、全国規模で発生している電気の消滅であることが判明。鈴木一家は田舎に行けば何とかなるだろうという考えで、母方の実家がある鹿児島に向かいます。

しかし鹿児島に行くにしても電車はもちろん、車も飛行機も使えません。鈴木一家はなんと東京から鹿児島まで自転車で向かうことになります。

食料も現地調達シャワーはほとんどなし着替えもなし連絡手段はもちろんなしという状況で、鈴木一家はどのようにして生き延びていくのでしょうか・・・?

愉快な一家・鈴木家

突然のサバイバルを強いられることになった鈴木家のメンバーと、彼らを演じた役者の方々を紹介していきます。

お父さん・鈴木義之(小日向文世)

鈴木家の主を演じるのは小日向文世。これからサバイバルだというのにカツラをかぶっていったり、家族に対してだけ偉そうな態度を取る、ちょっとダメなお父さんです。

子どもたちの食料のために土下座したり、妻と娘の安全を確保するために川を生身で渡ったりという一面を見せるのですが・・・?

お母さん・鈴木光恵(深津絵里)

お母さんの光恵を演じるのは女優の深津絵里。電気が使えないことに対して誰もがイライラしてしまいますが、お母さんだけはマイペース。作中唯一の癒しキャラです。

長男・鈴木 賢司泉澤祐希

長男の賢司を演じるのは若手俳優の泉澤祐希。自転車のタイヤを修理したり、飲み水を確保したりとしっかり者の役割を果たします。

長女・鈴木 結衣(葵わかな)

長女の結衣を演じたのは女優・モデルとして活躍している葵わかな

サバイバルにつけまつげを装着していったり、スマホができないことにイラついたり、サバイバルの道中で食料をワンちゃんに分け与えてしまったりと、ちょっとバカっ子なキャラクター。

弱音を吐いたり文句を言ったりもしますが、お父さんのために涙を流す一面があったりと、人間らしくて共感の湧く人物です。

「サバイバルファミリー」の見どころ①あるあるな家庭

「サバイバルファミリー」で描かれているのはどこにでもいそうな平凡な家庭です。だからこそ今作で描かれているサバイバルに対して現実感が湧きました。

特にお父さんのキャラクターが魅力的です。サバイバルに対してあまり効果的な策を実行できないお父さん。「少しは父親らしいことをしてみろ」と長男に言われてしまう始末です。

お父さんをヒーローとして描くのであれば、この長男のセリフの後で見せ場があるのでしょうが、全然そんなことはなく、それどころか妻にフォローを入れられてしまいます。

このときのお母さんが発したセリフには、それまでシリアスなシーンだったにもかかわらず、思わず吹き出してしまいました。命の危険があっても、コメディチックに物語が進行していくところが魅力です。

「サバイバルファミリー」の見どころ②人生で大切なもの

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この映画のもう1つの見どころはサバイバルが進行するにつれて、人が生きるのに大切だと思っているものが変化していく描写です。

例えば、お父さんはサバイバルにカツラを持っていったり、猫缶を食べていることを恥ずかしがってわざわざラベルをはがしてから食事をしたりと、かなり見栄っ張りなところがあります。

しかし、本当に命の危険を感じると、子供たちの食料のために土下座をしたり、ラストシーンではカツラを捨てたりと、人生には見栄を張ることより誠実さの方が大切だと気付きます。

人が生きるために本当に大切なものは何かと考えさせてくれる描写も、この映画の見どころです。

「サバイバルファミリー」への感想

「サバイバルファミリー」にはどんな感想が寄せられているのでしょうか?SNSを覗いてみましょう。

https://twitter.com/AsianWarrior_/status/1131546616354107392

コメディな作風がおもしろいという意見が目立っている印象です。ぼくも随所に笑える点が仕込まれていたからこそ、この映画を最後まで楽しむことができました。

現代日本でサバイバルをしなければならない設定が、あまりにもリアルに描かれすぎたら怖いですよね

また、この映画を観てサバイバルに備えたいという意見も目立ちました。・・・ということで、次の章では本編に登場したサバイバル知識を紹介していきます。

電気が無くても大丈夫!映画に学ぶプチサバイバル知識

https://pixabay.com/images/id-1839797/

「サバイバルファミリー」では、食料の確保が生き残るための大きな課題として立ちはだかりました。この章では、映画の中で登場したサバイバル知識をわずかですが紹介していきます。

燻製

食料の保存に困ったときは食べ物を燻製にして保存しましょう。燻製とは、食べ物を燻煙にあてることで保存力を上げる方法です。

燻煙(くんえん)とは、香りの良いサクラや、ブナおが屑リンゴヒッコリーなどの木材を高温に熱した時に出る煙を食材に当てて風味付けをすると同時に、煙に含まれる殺菌・防腐成分を食材に浸透させる食品加工技法のことである。木材完全燃焼させると二酸化炭素水蒸気になりあまり煙が出ないので、意図的に不完全燃焼の環境を作りが出るように工夫される。この煙の分子中にホルムアルデヒドフェノールが発生しており、生き物の表面にあるタンパク質と反応・変性して微生物が死滅するため、食べ物が腐りにくくなる。またアルデヒド類がタンパク質と結合することで強い皮膜を作り、雑菌の侵入を妨げる。さらに乾燥が進むことによって水分量が減り、微生物の繁殖による腐食を防ぐ効果もある。

直接木材に点火し燃やす方法と、他の熱源で木材を加熱して煙を出す方法とがある。燻煙法は、加工温度の高いものより熱燻温燻冷燻と呼ぶ。

(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%87%BB%E8%A3%BD

食べられる雑草

映画に登場したサバイバル上級者(?)によると、土から直接草が生えている雑草は食べられるそうです。作中ではオオバコタンポポが登場しました。

なお、人が生き残るために必要なことはまず体温の確保、次に水の確保、食料はその次ぐらいの優先度だそうです。

「サバイバルファミリー」の評価

映画「サバイバルファミリー」にはどのような評価がされているのでしょうか?各映画レビューサイトからの評価は以下のようになっています。

レビューサイトからの評価
  • Yahoo!映画―3.8(479件)
  • 映画.com―3.3(218件)
  • Amazon―3.9(157件)

「サバイバルファミリー」はおおむね高い評価を得ているようです。また、第1回マカオ国際映画祭に出品された作品でもあります。

電気に頼りすぎな現代社会に対して警鐘を鳴らしたことに評価を与える人が多いようですね。

何気に3回も見てしまったが、現代社会に警鐘を鳴らしている良作である。電気がなかった大昔にタイムスリップするのではなく、電気が使えないこと以外は現代の箱である。猿の惑星でもヒトの退化が暗示されたが、どのような状況であれ、生き抜けるヒトは必ずいることがユーモラスに描かれている。失うことを恐れずに、いや、恐れたのを克服したのだ。

(出典:https://movies.yahoo.co.jp/movie/%E3%82%B5%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%9F%E3%83%AA%E3%83%BC/358068/review/%E7%B4%A0%E7%9B%B4%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%82%82%E3%81%97%E3%82%8D%E3%81%84/3641/?c=4&sort=lrf

「サバイバルファミリー」の評価が分かれる点

比較的高評価の多い「サバイバルファミリー」ですが、ぼくが視聴していて「ここは意見が分かれるだろうな」と感じたところを紹介いたします。

動物好きは観ていてつらい

本作は人間のサバイバルを描いた作品ですので、動物は基本的には食料として扱われます。

ペット、動物園、家畜に対する態度は、生きるためにしかたのないこととは言え、多少残酷に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

現実感が薄い

人によってはあまりにも現実感が無さすぎると感じることもあるかもしれません。

電気が世界中で一斉に止まったとなれば、その時点で停電で困ったレベルでは済まない大規模な被害が出ているはずです。一家のサバイバル以外のところには基本的に触れずに物語が進んでいきます。

また、サバイバルに関して知識のある方は、そもそも自転車で移動するという設定に無理を感じたり、お父さんがある事故から助かったシーンでご都合主義のようなものも感じるかもしれません。

以上のような点では「サバイバルファミリー」は評価の分かれる映画であると感じました。

それでもフィクションとしてみればおもしろい

とはいえ、この映画で描かれていることがフィクションであると割り切って視聴したぼくにとっては、とても面白い映画でした。

現実社会を舞台にしているからと言って、例えばSF作品に突っ込みを入れていたらきりがありませんよね。

この映画の主題はサバイバルそのものではなく、ぼくたちがいかに電気に頼っているか?ということでしょう。

現代人がどれほど電気に頼っているか?電気が無いとどれだけ困るか?ということをわかりやすく、コメディチックに教えてくれるというだけで見る価値のある作品だと思います。

まとめ

以上、映画「サバイバルファミリー」について解説してきました。

映画で描かれているように、ある日突然電気が、電気を必要とするあらゆるものが使えなくなったらあなたならどうしますか?

ただでさえ災害の多い日本ですから、「サバイバルファミリー」で描かれたことが少しは参考になるのではないでしょうか。

今回の記事を読んで、「サバイバルファミリー」が気になった方はぜひ視聴してみてください。

ABOUT ME
徳田要太
フリー(ほぼゲーム)ライター。『スマブラ』ではクロム使いで日課はカラオケ。NiziUのリク推し。執筆記事は「website」欄から↓