海外映画(コメディ)

皮肉とユーモア溢れる『天国にちがいない』のあらすじや見所を紹介!

今回紹介する『天国にちがいない』は、名匠エリア・スレイマンが手掛けるコメディ映画。

カンヌ国際映画祭」でW受賞を果たし、世界からも注目を浴びた作品ですね!この記事を読んでもらえれば、より本作品を楽しめますよ。

『天国にちがいない』のあらすじをはじめ、出演者や見所なども紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/ツリー-雲-フィールド-草-736887/)

『天国にちがいない』の作品情報

まずは『天国にちがいない』の作品情報について簡単に紹介しますね!

作品情報
  • 監督・脚本・主演:エリア・スレイマン
  • 製作:2019年(フランス・カタール・ドイツ・カナダ・トルコ・パレスチナ合作)
  • 公開日:2021年1月29日(日本)

『天国にちがいない』は、イスラエルの映画監督・俳優であるエリア・スレイマンのコメディ映画。

前作から約10年ぶりとなる長編映画で、「第72回カンヌ国際映画祭」では特別賞国際映画批評家連盟賞を受賞した注目の作品ですね!

『天国にちがいない』のあらすじ

映画監督のエリア・スレイマンは、新作映画の企画を売り込むため、そして新たな故郷を探すためにナザレからパリやニューヨークへと旅をする。

パリでは美しい景観に見惚れる一方、街を走る戦車や炊き出しに並ぶ人々、救護されるホームレスなどを見掛ける。ニューヨークでは銃を持つ市民や警官に追われ逃げ回る裸の天使を目の当たりにする。

更に肝心の映画企画は、友人のガエル・ガルシア・ベルナルの協力を得るも、「パレスチナ色が弱い」とプロデューサーからあっけなく断られてしまう。

いかに遠くへ行こうとも、平和と秩序があるとされる街にいようとも、何かがいつも彼に故郷を思い起こさせる。「果たして我々の本当の“故郷”はどこにあるのかー?」。

『天国にちがいない』の出演者

簡単にあらすじを紹介したところで、『天国にちがいない』の主な出演者を紹介しますね!

出演者
  • エリア・スレイマン
  • タリク・コプティ
  • アリ・スリマン
  • ガエル・ガルシア・ベルナル

本作品は、“現代のチャップリン”とも称されるエリア・スレイマンが中心となるストーリー。

主人公にはセリフがないのですが、それでも楽しめるのがこの作品の魅力ですね!

シュールな映像やユーモアのある内容には、エリア・スレイマンを知らない方でも思わず見入ってしまいますよ。

アイロニーとユーモアに満ちた見応えのあるストーリー!

エリア・スレイマンは、イスラエル・ナザレ出身のパレスチナ人。本作品は、「パレスチナ問題」をユーモラスに演出していて、監督の強烈な政治的メッセージが込められているのもポイントです。

世界から見る「パレスチナ人」の印象も垣間見られ、皮肉アイロニーたっぷりなのに面白く見られるのが本作品の魅力ですね!

例えば、ニューヨークで“中東の平和”をテーマにした映画企画を紹介したとき、それを聞いたプロデューサーは「もう笑えちゃう」と即答します。

軽快なやり取りにも見えますが、とても皮肉たっぷりな返答ですよね。演出が少ない作品ですが、思わずクスッと笑えてしまうおすすめの映画ですよ。

地域独特の街並みや慣習を演出した美しい映像も必見!

出典:https://pixabay.com/ja/photos/パリ-博物館-フランス-5397889/

本作品は、エリア・スレイマン自身が主人公となり、映画監督としてパリやニューヨークへと旅に出ます。

後程レビューも紹介しますが、「風景や街並みが綺麗だった」と映像に関するコメントがとても多かったですね!

PVを観ても分かりますが、地域独特の街並みや慣習が美しく演出されています。エレガントなタッチを崩さずに、アイロニー(皮肉)とユーモアを表現しているのも見所です。

また、「英語」「フランス語」「アラブ語」など様々な言語が飛び交い、監督と一緒に旅をしているような気分を味わえるのも魅力ですね!

超シュール!何とも言えない主人公の表情にも注目

本作品は、“シュール”という言葉がピッタリな作品。主人公は終始喋らず、街で起きる出来事もユーモラスに演出されています。

特にどんな場面においても沈黙するエリア・スレイマンの表情は、愛らしくもあり、どこか切なくも感じるでしょう。

本作品は、監督が見る世界の混沌や人間の愛おしさが表現されています。コメディ映画でありながら、風刺的な部分に触れられるのもこの作品の魅力です。

“何とも言えない表情の奥に、監督自身は何を思っているのか”、ぜひ主人公の表情にも注目してみてくださいね!

『天国にちがいない』の良いレビュー

ここからは、実際に『天国にちがいない』を観た方のレビューを紹介しますね!

スレイマン監督自身が主人公となり、映画監督そのものとして、仕事のため世界を巡る。
パレスチナ人である監督がパレスチナ問題をテーマとしつつ、表面的には彼独特のメモリで視る世界の日常(あるあるともとれる)、人と社会が風刺的に、喜劇的に描かれる。
そこに現代版チャップリンと呼ばれる彼のユーモアとセンスが詰まっており、演出とスレイマン監督の絶妙に愛らしい表情に思わずクスクス笑ってしまう(笑)
メタファー的シーンが羅列されており、ひとつひとつが意味深に見えるが、実はいくつかはただの彼の実体験を取り入れてみたものだそう。そう聞くとなんでもないシーンだが、それが逆に良い余白になり、ついそこに何か意味を見出そうとしてしまうとこに彼の表現者としての技量や日常の愉しさを感じる。
また全体的に、最後のシーンなんかは特に目まぐるしく変化する時代に置き去りにされたひとりの人間から見える世界の様子が描かれているようにも見える。
ジム・ジャムシュっぽく、親密で、とても愉快な作品。

出典:https://filmarks.com/movies/84099/reviews/108221299

穏やかでコミカルだけど、風刺が効いてる映画だった。監督本人が主人公で喋らないのも面白かった。
ロイアンダーソン作品に似たシュールな展開。
風景や街並みも綺麗で退屈せず観れた。

パレスチナ人としてのアイデンティティとか、世界における立ち位置とか、もっと理解して観たらまた違った面白さがあるんだろうな。

出典:https://filmarks.com/movies/84099/reviews/108596601

良いレビューでは、「アイロニーとユーモアが詰まっていて面白かった」「映像が綺麗だった」という意見が見られました。

また、「エリア・スレイマンの表情が良かった」というレビューも多かったですね!

シュールなストーリーながら風刺的な一面もあり、多くの方が高評価を付けていました。

映画を観る前に「パレスチナ問題」について少し勉強しておくと、より本作品を楽しめますよ。

『天国にちがいない』の悪いレビュー

良いレビューを紹介したところで、本作品への悪いレビューも紹介しますね!

なんだろう、なんだろうなんだろう!
って思いながらずっと観てました。
シュールでかなり独特な世界観、音やセリフは必要最小限、規則的なものの動き、今まで見たことのないタイプの映画すぎて、頭が追い付かないままハテナいっぱいで後半まで行ってしまった…

小鳥のシーンとイスのシーンはなんか好きだったし、風景はきれいだし、なるほど!と思えたときには監督が可愛らしく見える不思議。人間観察してる人を観察してる気分になれておもしろかった。

だけど自分にはハマりきれず、でした。
監督がこの作品を通して伝えたかったことはなんだったんだろうと考え中です

出典:https://filmarks.com/movies/84099/reviews/107688718

悪いレビューでは、「作品から監督の思いを汲み取れなかった」という意見が見られました。

確かに演出も最小限で、独特な世界観をしているので、観る人によってはモヤモヤしてしまうかもしれませんね。

逆に言えば、演出が少ない本作品は、“視聴者の想像力で楽しむ作品”とも言えるでしょう。

実際にレビュー内容も様々で、観る人によって思う部分も異なるようです。作品からどんなことを感じられるのか、ぜひ自分の目で体感してみてくださいね!

『天国にちがいない』の上映・配信情報

2021年1月より日本で公開された『天国にちがいない』は、現在(2021年3月時点)も一部の映画館で上映されています。

映画館で楽しみたい方は、公式サイトの方から上映情報を確認してみてくださいね!

尚、今のところは上映のみとなっていて、動画配信についての情報は公開されていません。

今後配信されるかは未定ですが、インターネットで楽しみたい方は、公式サイトTwitterなどから最新情報をチェックしてみてください。

アイロニーとユーモア溢れるコメディ『天国にちがいない』まとめ

今回は、2021年1月より日本で公開されたコメディ映画『天国にちがいない』を紹介しました。

終始シュールな展開が続きますが、笑いあり皮肉ありのストーリーには、自然と引き込まれていくでしょう。

また、映像がとても綺麗なので、監督と一緒に旅をしているような気分も味わえますよ。“無人のパリ”などシュールな演出にも注目です。

邦画にはない独特な世界観があるので、映画好きの方はぜひ1度ご覧になってみてはいかがでしょうか?

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ゆうと
SEOライター歴4年。金融、インテリア、格安SIMなど複数メディアにてGoogle検索上位を獲得。 無類のバスケ好きで幼い頃からNBA(特にレイカーズ)の大ファン。 現在は漫画・アニメ鑑賞にどハマり中。