1978年に公開された映画『女王蜂』は、ヒロインに求婚する男性たちが次々に殺されていくサスペンス映画です。本作は、横溝正史原作の同名小説を原作としていますよ。
この記事ではそんな映画『女王蜂』のあらすじや登場人物、原作との違いなどを紹介し、作品の一端に触れられるようになっています。
本作について詳しく知りたい方は、ぜひ最後まで読んで視聴する際の参考にしてくださいね。
(トップ画像出典:https://unsplash.com/photos/Vypd3SU3uhc)
映画『女王蜂』のあらすじ
本作の舞台は昭和27年(1952年)、伊豆天城の「月琴の里」にある大道寺家です。物語は、大道寺智子へ求婚している遊佐三郎が、大時計の歯車に巻き込まれて死んだことから始まりました。
この凄惨な事件を目の当たりにして、当主の銀造や愛人の蔦代(つたよ)たちは言葉が出ません。しかも遊佐のポケットには、智子からの誘いの手紙が入っていました。
その事件の直後「19年前に起きた事件を再調査してくれ」という依頼を受けた金田一は、月琴の里を訪れます。
そして金田一の到着を待っていたかのように、連続殺人事件が起こりました。しかも遊佐もふくめ殺された全員が、智子へ求婚していて…というあらすじです。
映画『女王蜂』の登場人物
映画『女王蜂』の登場人物を紹介します。本作はこの3人を中心にして、物語が進んでいきますよ。
- 金田一耕助
- 大道寺智子
- 大道寺銀造
主人公であり言わずと知れた名探偵である金田一、タイトルにもなっている「女王蜂」に大きく関係する智子、そして大道寺家の当主である銀造。
智子と銀造にはどんな過去があり、それを金田一がどうやって解明していくのでしょうか。次の項目からこの3人について、順番に詳しく説明していきますね。
映画『女王蜂』の登場人物:金田一耕助
本作の主人公で、智子への求婚者の身に起こった連続殺人事件と19年前の事件を解決するのが、名探偵として名高い金田一耕助です。演じたのは名優・石坂浩二さんですね。
頭髪はボサボサで、足元は白足袋に下駄履き。何かあるたびに頭を掻いてフケを飛ばすなど、非常に清潔感がない人物です。
しかし頭の冴えはバツグンで、数ある難事件を次々と解決してきた日本きっての名探偵でもあります。
本作では、遊佐が時計の歯車に巻き込まれて死んだ直後に依頼を受けて、月琴の里を訪れました。
映画『女王蜂』の登場人物:大道寺智子
本作のヒロインであり「女王蜂」に深く関わる人物が大道寺智子です。演じたのは中井貴恵さんですね。
大時計で殺された遊佐のポケットには、智子からの誘いの手紙が入っていましたが、彼女もまた誰かから誘いの手紙を受け取っていたことが分かります。
その手紙の内容は「明日6時半、時計台に来たれ。汝の身の上の秘密を知ることができる」。実は智子の両親は彼女が幼い頃に亡くなっており、その理由が分かるかもしれなかったのです。
そして「女王蜂」とは智子と彼女の母はとても美しく、男性を惹きつけていたことから付けられた名前ですね。その美しさが原因で、多くの事件が起こりました。
映画『女王蜂』の登場人物:大道寺銀造
そして本作のメインキャストとなる大道寺家の当主であり、智子の義理の父であるのが大道寺銀蔵です。演じたのは仲代達矢さんですね。
彼は智子の実の父である仁志の親友でもありました。仁志が亡くなった後、すでに智子を生んでいた智子の母・琴絵と結婚して、義理の父になります。
じつは銀造も、仁志と琴絵が結婚するまえから琴絵にほれていました。成長してだんだん琴絵に似てきた智子に対して、異常なほどの愛情をもつようになります。
映画『女王蜂』で原作と異なる点
映画『女王蜂』には、原作になっている同名小説といくつか違う点があります。その中から”筆者がとくに紹介したい点”を2つ紹介していきますね。
登場人物の名前が少し違う
実は映画と小説で、登場人物の名前が少し違うのです。例えば銀蔵の名前が小説では欣造(きんぞう)だったり、仁志の名前が小説では達哉(たつや)だったりします。
小説より1年とすこし、遅い
映画では昭和27年(1952年)の秋ごろという時代設定なのですが、小説では昭和26年(1951)年の5月という時代設定になっています。
つまり映画の方が、小説よりも1年とすこし遅い時代設定になっていますよ。
1952年にも公開されていた!!
実は映画『女王蜂』は、1978年の26年前である1952年に初めて公開されました。つまりこの記事で紹介している1978年に公開された本作は”リメイク版”になります。
原作は1978年版と同じなので、物語の内容はほとんど一緒ですね。1952年版の監督は田中重雄さん、主演の金田一を演じたのは岡譲司さんです。
こちらも小説との違いがすこしあるので、それを紹介しますね。小説では金田一が石を投げつけられ、負傷するという場面があります。
しかし1952年版では銃で撃たれ生死不明になっており、とくに説明もなくクライマックスで変装をして現れ、推理を披露するという展開になっていますよ。
映画『女王蜂』の口コミ
ここでは映画『女王蜂』の口コミを紹介します。原作のファンも大勢いる本作には、たくさんの感想が寄せられていました。
良かったなー。これまでの金田一作品に比べると、殺人トリックや派手目なシーンは少ない印象だが、とてもよい人間ドラマに仕上がっていた。
この複雑な人間模様。
どうして人の想いは、こんなにも入り組んでいるのか。
今回も交錯する人間関係がとても見事でした。
相変わらず徐々に明らかになってく展開は凄い。
毎作品、鳥肌が立つ。引用元:https://filmarks.com/movies/24445/reviews/95294014
やっぱり出生や過去の事件が今につながるパターンは安定の面白さがある。岸恵子の叶うことない相手に恋慕した一生はなかなか悲哀に満ちており美しかった。
引用元:https://filmarks.com/movies/24445/reviews/95943235
複雑な人間関係や、かなり入り組んでいる各人の想いをしっかり表現している点に、高い評価を付けている方が多かったですね。
しかし、しっかり表現しているがゆえにこんな感想もありました。
地味で長い。さらっと済ませてほしいところに重点を置いているのでつらい。
引用元:https://filmarks.com/movies/24445/reviews/94303087
見る人によって「しっかり表現している」と捉えるか「もっと短くていい」と捉えるかが、かなり変わってくる作品です。
ぜひあなたも実際に視聴して、あなたは映画『女王蜂』をどう捉えるのかを、ご自身の目で確認してくださいね。
映画『女王蜂』を視聴するなら
この項目では映画『女王蜂』を視聴できる動画サイトを、2つ紹介します。(ここで紹介している2つは、両方とも1978年版です)
Amazon prime videoには「30日のお試し期間」があり、その期間内なら無料で見ることができます。
しかしVideoMarketは「登録初月無料」となっており、月末に登録すると翌日から月額がかかってしまうので、注意してくださいね。
ぜひどちらかのサービスに登録して、視聴してみてはいかがでしょうか?
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映画『女王蜂』まとめ
ヒロインへ求婚する男性たちが次々に殺されていく映画『女王蜂』について紹介しました。
最初の犠牲者が大時計の歯車に巻き込まれるという、ショッキングなシーンから始まる本作。子供の時には見られなくて、大人になってからようやく見られたという方もいます。
そんな目を閉じたくなるようなシーンがあったり、物語の内容も複雑だったりするので、1回見ただけでは全ての疑問を解消できないかもしれません。
ぜひ何回でも見ていただいて、物語の裏に隠れている「1つの愛の形」を見つけていただければと思います。