メイド・看護師・CA・婦警…男はなぜ、特定の職業の女性にこうも魅力を感じてしまうのでしょう?
そんな“特定の職業”のひとつ・舞妓。2007年に公開されたコメディ映画『舞妓Haaaan!!!』では、舞妓の魅力に取り憑かれた男、鬼塚公彦が大好きな舞妓の為に画面狭しと暴れまわります。
今回はそんな爆笑コメディ『舞妓Haaaan!!!』の必見シーンを5つ紹介していきます。この記事を読んで映画を観たら「そうだ、京都いこう。」という気分になること間違いなし!
(トップ画像出典:https://www.happyon.jp/maiko-haaaan)
舞妓Haaaan!!!の概要どす。
- 公開日:2007年6月16日
- 主演:阿部サダヲ/堤真一/柴咲コウ
- 監督:水田伸生
- 脚本:宮藤官九郎
- 製作総指揮:奥田誠治
- 配給:東宝
- 上映時間:120分
『舞妓Haaaan!!!』は80年代からテレビドラマの演出を手がけていた監督・水田伸生、ヒットメーカー・宮藤官九郎、多数のジブリ作品のプロデューサーを務めた奥田誠治が組んで生まれた映画です。
興行収入が20億円を超えるヒットを記録し、2008年の3月にはアメリカ全土でも公開されました。
舞妓Haaaan!!!のあらすじどす。
鬼塚公彦(阿部サダヲ)は鈴屋食品・東京本社で働く平凡なサラリーマン。ただひとつ異なるのは、熱狂的な舞妓ファンで暇さえあれば京都に通っていること。しかし、舞妓と遊ぶためのお店・お茶屋ののれんをくぐったことは……まだない。
そんなある日、公彦に吉報がもたらされた。念願の京都支社への転勤が決まったのだ!
あっさりと、同僚OLの彼女・大沢富士子(柴咲コウ)を捨てて、意気揚々と京都入り。死にものぐるいで仕事をして、「一見さんお断り」という最高峰の壁を強引に乗り越え、やっとの思いでお茶屋デビュー!お座敷での宴会も盛り上がり、いざ舞妓との野球拳……というときに、泥酔したプロ野球選手・内藤喜一郎(堤真一)が隣の座敷から乱入した!!!!
時を同じくして、富士子は公彦を見返すため、京都で舞妓を目指すことを決意した……。
(出典:http://www.vap.co.jp/maikohaaaan/)
この映画の特徴は全編通して主人公の鬼塚公彦(阿部サダヲ)の、異様なまでの舞妓愛が徹底して描かれているところです。
鬼塚が舞妓を好きになった理由は「高校時代の修学旅行で迷子になった時に、舞妓さんが優しくしてくれた」から。
それだけでここまで熱狂的になれるのは“人間何がきっかけでどハマりするかわからない”という『あるある』を表現しているのでしょうか。
出演していた豪華キャストの紹介どす。
「舞妓Haaaan!!!」に出演していた豪華なキャストをご紹介します。
鬼塚公彦…阿部サダヲ
舞妓愛が止まらない主人公・鬼塚公彦を演じたのは松尾スズキ主宰の劇団、大人計画に所属するコミカルな演技が大人気な阿部サダヲ。
所属が同じだからか宮藤官九郎脚本の作品に多数出演されていますね。『グループ魂』というコミックバンドでボーカルを務め『舞妓Haaaan!!!』の主題歌も柴咲コウと一緒に歌っています。
内藤喜一郎…堤真一
架空のプロ野球チーム・神戸グラスホッパーズでエースピッチャーとして活躍中の男、内藤喜一郎を演じたのは『孤高のメス』『俺はまだ本気出してないだけ』『泣くな赤鬼』等多数の主演作品を誇る堤真一。
内藤喜一郎は公彦が運営するホームページ『ぽんの舞妓日記』を荒らしたり、京都のお茶屋で好き勝手暴れまわったりと、敵役として重要なポジションを務めています。
大沢富士子…柴咲コウ
公彦が東京で生活していた時に同僚かつ恋人だった女性、大沢富士子を演じたのは最高視聴率37%を記録した名作ドラマ『GOOD LUCK!!(2003年)』にも出演した柴咲コウ。
彼女といえば福山雅治とのダブル主演である『ガリレオ(2007)』シリーズが有名ですね。他にも国内外で歌手活動したり、会社を立ち上げCEOに就任するなどマルチに活躍されています。
駒子…小出早織(現・早織)
公彦を追いかけて京都に来て、舞妓の修行を始めた富士子の姉役となった少女・駒子を演じたのは『ケータイ刑事 銭形雷(2006)』で主役にもなった京都出身女優の小出早織(現・早織)。
彼女は『南極料理人(2009)』のオペレーター・清水さん役としても有名ですね。「KDDインマルサットオペレーターの清水です」というセリフが印象に残っています。
他にも山田孝之・真矢みき・北村一輝・キムラ緑子・伊東四朗・吉行和子・生瀬勝久など現在も一線で活躍されている豪華なメンバーが脇を固めています。
舞妓Haaaan!!!の必見シーン①「富士子との別れ」
インスタントラーメン製造業・鈴屋食品の東京本社から京都支社へ転勤が決まった公彦。
「舞妓と会う機会が増える」とウキウキで荷造りをする公彦と、遠距離でもいいから関係を続けたいと訴える同僚で恋人の富士子。
富士子は京都出身だと公彦に伝えていたので、公彦から「じゃあ一緒に来る?」と誘われますが、実は京都のお隣、三重県出身であることをカミングアウト。それを知った公彦は富士子を優しく抱きしめ…。
自然な会話の流れの最後の最後に「ええーっ!?」って思うようなセリフをぶち込んで来るのが宮藤官九郎脚本の面白さのひとつですね。このシーンだけで公彦の“舞妓愛”が存分に伝わります。
舞妓Haaaan!!!の必見シーン②「駒子と公彦の想い」
駒子の旦那になりたい公彦は、彼女とレストランに行って口説きまくるも、駒子は「だって公ちゃん、ホンマにうちのこと好きちゃいますもん。舞妓やから大好きなんやもん」と拒みます。
公彦は駒子をお茶屋に連れて行き、素顔を知ろうとおしろい落としを駒子に塗ろうとしますが、駒子は「自分でする」と言ってひたいにおしろい落としを塗ります。するとひたいには×印の傷跡が…。
物語の重要なポイントが語られるこのシーンは、軽快なギャグを挟みながらも駒子と公彦それぞれの想いがぶつかりあう名シーンです。
公彦の「無理するの辞めよう。自分の好きなものに誇りを持とう」というセリフには不覚にも胸を打たれました。その直前の45秒間に渡るワンカットの会話シーンも必見です。
舞妓Haaaan!!!の必見シーン③「駒富士の表情」
内藤喜一郎との張り合いに敗れ、東京へ帰ろうとする公彦でしたが、新幹線が出発する直前に「まだ野球拳やってない」ことに気づき、京都のお茶屋に急いで戻ります。
しかし、どこにいっても舞妓がいません。新しく京都市長に就任した内藤が掲げた条例『一見さんお断りのお断り』を撤回させようと、駒子含めて町中の舞妓が市役所に殴り込みをかけたからです。
条例が決まる前に舞妓を辞めていた富士子ですが、再び舞妓・駒富士として公彦の前に立ち「野球拳をしよう」と誘いかけます。
公彦の舞妓愛によって振り回され続けて来た富士子の恋心。好き勝手やってきた公彦への怒りが爆発します。その一部始終の“表情の演技”は秀逸。駒富士の複雑な感情を見事に表現しきった柴咲コウの名演技です。
舞妓Haaaan!!!の必見シーン④「内藤への対抗心」
必見シーン④と⑤はこれまでと少し趣向が違い、特定のシーンに対してのピックアップではありません。
『舞妓Haaaan!!!』は“舞妓愛”と“内藤への対抗心”が物語の軸なので、取り上げたいシーンが全編通してあり、このようなまとめになります。
物語当初からホームページの運営者と荒らしという関係で対立。お座敷で顔を合わせてから公彦は更に対抗心を燃やし、野球・俳優・格闘技・ラーメン屋・選挙と内藤が始める全ての土俵で立ち向かいます。
その後も公彦は舞妓に関する“あること”で勝負を持ちかけ、最後まで内藤と徹底的に対決する姿勢を見せています。作中の経過時間にしてはアレコレやりすぎだろうとは思いますが、まあコメディですしそこはご愛嬌。
舞妓Haaaan!!!の必見シーン⑤「舞妓しかみえない」
公彦の凄いけどダメなところって『舞妓』ならなんでもいい所なんですよね。逆に言えば舞妓じゃなければまともに認識できない。
溢れ出る“舞妓愛”と“内藤への対抗心”が重なり、様々なことに真摯に打ち込んでその度に結果を出して来た公彦。
しかしその行動によって周りの人物、特に富士子は散々振り回されます。公彦が好きな舞妓になったらとても気に入ってくれたけど、公彦は駒富士=富士子であると気付かされるまでまったく分かりませんでした。
必見シーン⑤は『恋は盲目』ならぬ『舞妓は盲目』な公彦が舞妓に絡みに行くシーン全てで、舞妓好きな所をあますことなく表現しています。阿部サダヲのコミカルな表情・動きは自然と頬がゆるみますね。
舞妓Haaaan!!!をインターネットで視聴する方法どす。
『舞妓Haaaan!!!』は2019年6月現在、下記のサイトで視聴することが可能です。
- ビデオパス
- hulu
- TSUTAYA DISCAS
- amazon prime video
- Video Market
配信サイトによって見れる作品やサービスが異なりますので、自分に合ったサイトをご利用ください。
最後に、筆者の感想どす。
この映画のポイントは“好きなことなら、どこまで真剣になれるのか”という所です。公彦の暴走気味な舞妓への情熱もそうですし、富士子だって大好きな公彦の為に京都まで来て舞妓になっちゃいますしね。
コメディ映画なので全体的に軽いノリで物語が進行していくのですが「一見さんお断り」の意味や華やかな舞妓たちの裏にある見習いたちの苦労が見えたり、すれ違う心模様にやきもきしたりと見ごたえ抜群です。
『舞妓Haaaan!!!』を見たら、京都旅行に行って風情ある街並みと舞妓さんに癒されて、お座敷遊びがしてみたくなります。筆者は「一見さんお断り」の壁を突破するにはまだまだ時間がかかりそうですけどね。
ということで、最後まで読んでくださりありがとうございました。この記事を読んで『舞妓Haaaan!!!』そして『京都』『舞妓』への興味・関心が高まったのなら嬉しいです。