不条理な裁判がきっかけとなり、妻子を奪われた男と検事との熾烈な闘いが繰り広げられる映画『完全なる報復』についてご紹介します。
各々の正義がぶつかり合う、正義について考えさせられる映画です。
本記事では、『完全なる報復』の作品情報やあらすじ、見所などを徹底紹介していくので、ぜひ最後までご覧下さい。
『完全なる報復』の作品情報
まずは『完全なる報復』がどのような作品であるかをご紹介していきます。
- 劇場公開日:2009年10月16日(アメリカ)/2011年1月22日(日本)
- 製作費:5300万ドル
- 監督:F・ゲイリー・グレイ
- 出演者:ジェラルド・バトラー、ジェイミー・フォックス
- 上映時間:108分
本作を手がけたのは、『ワイルド・スピード ICE BREAK』や『メン・イン・ブラック:インターナショナル』を手がけたF・ゲイリー・グレイ。
主演を務めるのは『300 <スリーハンドレッド>』で知られるジェラルド・バトラーと『Ray/レイ』で知られるジェイミー・フォックスです。
『完全なる報復』のあらすじ
愛する家族と幸せに暮らしていたクライドはある日、家に侵入してきた強盗に妻子を惨殺されてしまう。
犯人たちは逮捕されたものの判決の結果、主犯のダービーは司法取引により極刑ではなく数年の刑期に留まった。
司法制度に裏切られたと失意に暮れたクライドは10年後に出所したダービーを苦しませながら殺して復讐を果たした。
ダービー殺害の罪で刑務所に収監となるも、クライドの殺害計画は実行され続ける。
キャスト紹介
ジェラルド・バトラー
妻子を殺され、復讐の鬼となる本作の中心人物クライドをジェラルド・バトラーが演じています。
クライドは遠隔殺人のプロで、妻子を奪った犯人や裁判に関わった弁護士や判事などを次々と殺します。
ジェイミー・フォックス
殺人鬼クライドと闘うのは、かつてクライドの妻子を殺害した犯人の裁判で検事を務めたニック・ライス。それを演じるのがジェイミー・フォックスです。
ジェイミーは、映画プロデューサーやミュージシャンなど多彩な才能をもつ人気俳優です。
『完全なる報復』の予告映像
ここで『完全なる報復』の予告映像をご覧ください。冒頭では優しい父親ですが、彼の家族は強盗によってあっという間に殺されてしまいます。
妻子殺害の犯人が死刑にならなかったことがきっかけで、一変して司法制度を憎む殺人鬼へと変貌します。
かつて遠隔殺人の計画を立てていたという緻密な頭脳を生かして、刑務所に投獄されてもなおターゲットをピンポイントで殺していきます。
凄惨な殺人劇と司法の弱みに漬け込むクライドと、それに対峙するニックの駆け引きに目が離せません。
国ごとの死刑制度の違い
死刑制度が今なお実行されているかどうかは国ごとで異なります。本作の舞台となったアメリカを始め、日本、中国、サウジアラビアなどアジアの国の多くは今なお死刑制度が残っています。
一方で、ヨーロッパや南米のほぼ全ての国々に加えて、カナダやオーストラリアでは死刑制度が廃止されています。
世界的には廃止の流れが進みゆく中、本作では死刑に相応しい人間が10年の懲役で済んでしまっているため、必ずしも死刑廃止が正しいとは言いにくい面もあるのです。
『完全なる報復』の見所
本作の見所は主人公クライドの執念の強さです。妻子を殺害した犯人の裁判に携わったものを皆殺しにするという使命を果たすべく、犯人が出所するまでの10年間で練りに練った殺人計画が実行されます。
特に妻子を殺害したダービーを殺すための計画は非常に緻密で残忍です。
警察から追われるダービーを助けるふりをして目的地へと誘導し、体を動かせずに意識がある状態でゆっくりと殺していく様はおぞましいほどの執念深さが感じられます。
ダービー殺害後は刑務所に服役しながら、裁判に関わった人間を次々と殺していきます。殺害の詳細を教える代わりに食事やベッドなどを交換条件として提示する様からは全くもって反省の色は感じられません。
『完全なる報復』の口コミ
全然期待してなかったけど、これはなかなか骨のある作品。
凶悪犯を野放しにすることになる司法取引という悪しき制度に問題提起するために、妻と子供を殺された被害者が取った手段のパラドックスに思わず唸ってしまう。
色々用意周到すぎるところはあるけど、観賞後に考えさせられる実りのある作品だと思った。
出典:https://eiga.com/movie/55024/review/02431541/
この映画のポイントは殺人鬼なのに同情の余地がある設定なところ。観ていてちょっと複雑な気持ちになります。
もちろん実際にこんな殺人の天才がいたら恐ろしいですが、まあ映画の世界ですからハラハラドキドキ楽しませていただきました。
出典:https://eiga.com/movie/55024/review/02432136/
ストーリー後半は完全な殺人鬼ですが、殺人鬼に至るきっかけとなる裁判が理不尽であるのも明らかで、クライドに同情するという声が多かったです。
「DADDY」と書かれたブレスレットを見つめるシーンが何度か見られ、妻子を失った辛さがそのまま復讐心へと転化しているのが読み取れます。
殺人鬼クライドに感情移入した声が多く、彼の行動の意図や伝えたかったことを類推するようなレビューも見られました。
筆者の感想
筆者も他の視聴者同様、主人公クライドへの共感がありつつも、あまりにも酷い殺戮劇だと感じました。
法律と法律を扱う人間に対して異を唱えるために殺害を犯し、捕まっても法律を扱う人間たちと真っ向から口論し打ち負かします。
彼にとっての正義が殺害で検事のニックの正義は殺害を止めることで、物語の終盤はこれが肝です。
「正義を扱う人間がいかに正義であるべきか」を学ばされた映画でした。
『完全なる報復』の視聴方法
『完全なる報復』を視聴できるサービスをご紹介します。月額制のサービスではU-NEXTやTSUTAYA TV 、ビデオマーケットなどで視聴できます。中でもおすすめはU-NEXTです。
31日間の無料期間で見放題作品数は約14万本で、約1万本のTSUTAYA TVや約2万5千本のビデオマーケットと比べても非常に多いことがわかります。
雑誌や漫画などが無料で読める場合もあるので、ぜひU-NEXTをお試しください。
まとめ
今回は『完全なる報復』のあらすじや見所、視聴方法などをご紹介しました。
犯人に復讐を果たすシーンなど多少グロテスクな部分もありますが、スリラー映画好きの方は予測不能の展開を楽しめる作品です。
また殺人鬼になっても、失った家族のことを思い続けるクライドに多少の共感も抱くことでしょう。
本作を通じて、「本当の正義とは何であるか」をあなたなりに考えてみてはいかがでしょうか。ぜひU-NEXTなどの視聴サービスを通じて、ご覧ください。