【沖縄の事実】「ハクソー・リッジ」が戦争映画として優れている理由

あなたは戦争映画と聞くとどんな作品を思い浮かべますか?たくさんの戦争映画がありますが、どれも独自の教訓が得られるジャンルかと思います。

数ある戦争映画の中でも、兵士1人1人の命の重さを伝えているという点で最も優れているのが、今回紹介する「ハクソー・リッジ」という映画です。

第二次世界大戦に衛生兵として派兵された実在の人物デズモンド・ドスの視点から沖縄戦の恐ろしい戦場が描かれました。

「戦争映画の歴史を変えた」と評される今作ですが、大学時代は歴史学を専攻していたぼくが「ハクソー・リッジ」がどうして高い評価を得たのか、その理由を考察していきます。最後まで読んでいただけると幸いです。

(トップ画像出典:http://hacksawridge.jp/special.html)

「ハクソー・リッジ」というタイトルの意味

そもそも「ハクソー・リッジ」とはどういう意味なのでしょうか?

「ハクソー・リッジ」とは、沖縄の地名で、浦添市にある前田高地のことを言います。沖縄戦の激戦地になったことで、米軍は「ハクソー・リッジ」と呼んでいました。

沖縄戦は太平洋戦争の中でも最も大きな被害の出た戦いの1つで、日本側の死者6万人、アメリカ側の死者は2万人を超えています。

そんな過酷な戦いを描いた作品が「ハクソー・リッジ」です。衛生兵として派兵されたデズモンド・ドスという実在する人物のエピソードを基に物語が進んでいきます。

デズモンド・ドスとは?

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太平洋戦争に衛生兵として参加した実在の人物です。良心的兵役拒否者でありながら、愛国心から衛生兵を志願しました。

良心的兵役拒否者とは?

宗教上などの信念に基づき、兵役を拒否する者のこと。アメリカでは建国当時から存在し、第二次世界大戦中も認められていた。

戦争に参加しないという選択肢があったにも関わらず、ドスは自らを“良心的協力者”と呼んで従軍している。

彼は武器を一切持たず、戦地の負傷者を敵味方問わず助け続けました。その勇敢な功績がたたえられ、衛生兵でありながら史上初めて名誉勲章を受けた人物でもあります。

戦地で武器を持たず、命を救い続けることがいかに勇敢な行為であるか、この映画を観ることで感じられるでしょう。

デズモンド・ドスを演じたアンドリュー・ガーフィールド

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そんなデズモンド・ドスを演じたのはアンドリュー・ガーフィールド

本作では史実に忠実な演技が高く評価され、アカデミー賞ゴールデングローブ賞英国アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされました。

「ハクソー・リッジ」の他に「アメイジング・スパイダーマン」の主演を務めたことでも有名です。

デズモンド以外の登場人物

映画「ハクソー・リッジ」は実話を描いた物語ですので、主人公のデズモンド以外の人物も皆実在した人物達です。

トム・ドス/ヒューゴ・ウィーヴィング

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デズモンドの父親。自身は第一次世界大戦に参加しており、そのトラウマからアルコール依存症に苦しんでいます。

アルコールの影響で家庭内でも暴力をふるってしまうような父親です。そのことがきっかけで息子との関係は悪化し、また、デズモンドは暴力を嫌うようになりました。

ハウエル軍曹/ヴィンズ・ヴォーン

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デズモンドの上官。頑なに銃を拒むデズモンドに対して除隊を勧めます。

戦いの終盤でデズモンドに命を助けられ、彼を認めるようになります。

ドロシー/テリーサ・パーマー

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デズモンドの妻。デズモンドが偶然訪れた病院で知り合い、交際を始めました。

彼女との出会いがきっかけで、デズモンドは医学を学ぶようになります。

スミティ・ライカー/ルーク・ブレイシー

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デズモンドと同じ歩兵隊の一員。敵を殺そうとしないデズモンドを始めはバカにしていましたが、やがて彼の勇敢さを認めるようになります。

「ハクソー・リッジ」の予告映像からわかるもの

予告映像を見てわかるように、「ハクソー・リッジ」は非常にリアルな描写で作られているのが特徴です。

本編では爆弾で足が吹っ飛んだり腸が飛び出したり死体がウジ虫に食べられていたりと、戦争の悲惨な場面を非常に生々しく描いたシーンが多数登場します。

これらの描写から、戦争は本当に誰がいつ死んでもおかしくないものなんだと強く実感しました。

このようなリアルな描写へのこだわりは、監督を務めたメル・ギブソンの作風が大きく影響しています。

CGを使わない?!監督メル・ギブソン

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「ハクソー・リッジ」の監督を務めたのは、「ブレイブ・ハート」で知られるメル・ギブソン

「ブレイブ・ハート」はスコットランド独立を描いた歴史映画で、アカデミー賞を受賞しています。

「ハクソー・リッジ」も「ブレイブ・ハート」と同じようにノンフィクションの歴史映画ということで、リアルな描写には強いこだわりを持っているのがメル・ギブソンという人物です。

CGを使わない?!

予告編でも流れているように、映画「ハクソー・リッジ」では爆発シーンが頻出しています。

しかしそれらはCGではなく、実際に爆発させたと監督は語っています。

沖縄の夜の戦場をセットとして再現するため、特殊効果担当のチームは新しい装置を作り出した。特殊効果の助監督であるロイド・フィネモアが説明する。「段ボール箱の中に、爆発物と飛び散っても安全な瓦礫を入れて地面に置くんだ。装置の中には閃光を発するための物質も入っているので、爆発の威力が大きいように見せることができる。」

ギブソンがこう付け加える。「この装置によって、スタントマンたちは信じられないほど爆発に近付ける。撮影カットを 見せると、皆が『すごいCGだね。本物に見えるよ』と言うので、『これは本物の爆発だ。僕たちの特殊効果のチームはそれだけ腕がいいのさ』と答えたよ。僕はいつでも、瞬間の中にある真実を見つけ出そうとしているんだ。」

メカニックは語る。「こうした爆発を見た観客は、自分が激しい戦闘の中に飛び込んだかのように感じるはずだ。その上、メルはカメラが戦闘のど真ん中にいるかのように撮影するので、衝撃がより強調されるんだ。」
(出典:http://hacksawridge.jp/special.html)

戦地では四方八方、どこから銃撃され、いつ爆殺されるのか予想しようがない状況であるということが、この映画を観てわかります。

宣伝中「沖縄」という単語は一切登場しない?

上記の通り、史実を徹底的にリアルに描写した作品ではありますが、沖縄戦を描いた作品でありながら日本国内の宣伝では「沖縄」の単語は一切使われませんでした。一体なぜでしょうか?

理由は、沖縄県民への配慮があったそうです。「ハクソー・リッジ」作中では日本兵は明らかにとして描かれているため、無理に煽るようなことを避けたのでしょう。

この配慮に関して、「沖縄」という単語を使わないことでリアリティを損ねているのでは?という意見もありました。

しかし、宣伝会社もこの映画を単なるエンタメではなく、しっかり教訓の得られる戦争映画としてとらえていたと思われます。

このように、SNSでは戦地になった浦添市長からのコメントを掲載してもいます。

また、映画内では描き切れなかった一般市民への被害に関しても、映画の公開に合わせて浦添市ホームページにて解説していました。

http://www.city.urasoe.lg.jp/docs/2017050200104/

製作者、宣伝会社ともに「ハクソー・リッジ」が戦争について深く学ぶことのできる優れた作品ととらえていることがうかがえますね。

「ハクソー・リッジ」が評価されている理由

「ハクソー・リッジ」は戦争映画の歴史を変えたと評価されていますが、一体どのような点が斬新だったのでしょうか?

その答えは、従来の戦争映画が戦士の葛藤を描くのが主だったのに対して、「ハクソー・リッジ」では何の理由もなく突然死んでいく一般兵に焦点を当てたことだと考えられます。

1人の英雄的な兵士ではなく、衛生兵の視点から無残にあっけなく死んでいく兵士たちの姿を描いたことで、戦争の本当の恐ろしさを伝えたと言えるのではないでしょうか。

彼らこそが本当に敬意を払うべき英雄なんだというのがこの映画のメッセージだと思います。「戦死していった兵士こそが本当の英雄だ」とデズモンドが実際に語っていることで、その説得力が増しています。

デズモンド・ドスの実際のコメントは映画のラストで観ることができます。

戦地で実際にはあっけなく死んでいった人たちがたくさんいるというメッセージを、メル・ギブソンのリアルに拘る手法で伝えているところが、「ハクソー・リッジ」の戦争映画として優れている点でしょう。

「ハクソー・リッジ」を観るなら字幕版がおすすめ!

「ハクソー・リッジ」は字幕版、吹き替え版両方を観ることができますが、個人的には字幕版で視聴することをおすすめします。

何故なら、この映画はアメリカ兵と日本兵の戦いを描いた作品だからです。第二次世界大戦の戦闘中、アメリカ人も日本人も両方とも日本語を話していたらちょっと不自然ですよね。

作中には「英語を話せないものがいたら殺せ」というセリフも出てきます。

せっかくリアリティに拘って作られた作品ですので、可能な限り現実に近い描写で観る方がいいのではないでしょうか。

ぼくが確認したところ、NETFLIXでは字幕版、吹き替え版両方視聴することができました。以下に「ハクソー・リッジ」を視聴できるVOD(ビデオオンデマンドサービス)をまとめておきます。

「ハクソー・リッジ」を視聴できるVOD
  • NETFLIX
  • U-NEXT
  • dTV
VOD料金(税別)取り扱いのある媒体・ジャンル特徴無料体験期間
U-NEXT月額¥1,990映画、ドラマ、アニメ、雑誌、マンガ、書籍、R-18etc...・最新作の配信がダントツで速い
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31日間
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・キャッシュバックキャンペーンがあり
31日間
WOWOW月額¥2,300映画、ドラマ、アニメ、スポーツ、音楽番組etc...・アーティストのライブ映像やスポーツが観られる
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「ハクソー・リッジ」への感想

戦地のリアルな描写が魅力の映画、「ハクソー・リッジ」にはどのような感想が寄せられているのでしょうか?各映画レビューサイトを覗いてみました。

レビューサイトからの評価
  • Yahoo!映画―4.03
  • 映画.com―4.0
  • Filmarks-4.0

『ハクソー・リッジ』2016年初鑑賞 メル・ギブソン監督。太平洋戦争の沖縄戦にて75人の負傷兵士を救った銃を持たない兵士の伝記映画。アンドリュー・ガーフィールドが勇気ある衛生兵を演じてます。全兵士から反感を持たれつつ助けるという信念を貫き通した姿は人間として生きる心を教えてくれた。
(出典:https://filmarks.com/movies/68118

 

2019.10.27
メル・ギブソンめ…相変わらず監督作品のクオリティーが高い。憎いなぁ。

1度も武器を持たないことを貫いた彼は本当にすごい!そんな人がアメリカにいたことがすごい!家庭環境や宗教観念からの信念だとは思うんですが、それを曲げない意地も身に付けていたのかと思うと、彼から学ぶことは多いのかも。いや、ちょい気狂い入ってたからほどほどがいいな。
(出典:https://filmarks.com/movies/68118

 

アクション映画と共に生きてきたメル・ギブソンだけにハクソー・リッジでの戦争描写は半端ない。
銃弾・爆発・火炎銃の雨、霰の中をデズモンドは走る。「もう一人助けさせてください」と祈りながら。
銃を持つことを拒否して軍や仲間の兵士達に散々に虐げられながら戦地で傷ついた兵士(敵であっても!)を命懸けで助ける。
生い立ちやエピソードが何を語ろうとも、私には理解出来ない。
その事実が激しく迫る。
(出典:https://filmarks.com/movies/68118

レビューサイトからの平均評価点は4点を超えています。それだけ完成度の高い作品と言えるでしょう。

また、感想には、デズモンド・ドスの人物に対する言及が多いようです。戦地にいながら他人の命を救うことだけを考え続けた彼の信念に感動した人が続出しています。

まとめ~「ハクソー・リッジ」の特徴~

以上、戦争映画「ハクソー・リッジ」について解説してきました。実在した人物のストーリーを、CGを使わない、リアルな描写にこだわって作成されたのが特徴的な作品です。

武器を一切持たない衛生兵、デズモンド・ドスという実在した人物を描きました。彼の視点から、突然あっけなく死んでいく兵士たちの姿が、リアルな描写で描かれます。

戦争の恐ろしさを伝えるのに、これ以上の映画は無いと思います。気になった方はぜひ視聴してみてはいかがでしょうか?

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