日本映画(アクション)

超速戦闘で魅せる!日本発アクション映画『RE:BORN』のススメ

2017年に日本で公開されたアクション映画『RE:BORN』は、国内映画では例の少ない「近接格闘術」をアクションに用いた作品です。

その圧倒的なスピード感とアクションのクオリティにより、他に類を見ない独特な雰囲気を併せ持つ魅力的な作品に仕上がっています。

この記事では『RE:BORN』の基本情報をわかりやすくまとめているので、本作を観るキッカケや作品への理解を深める補助として役立てていただければ幸いです。ぜひ最後まで読んでみてください。

(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/銃-箇条書き-武器-カウボーイ-3141559/)

『RE:BORN』の基本情報

まずは、映画『RE:BORN』についての基本情報をご紹介していきます。

  • 公開日…2017年8月12日
  • 監督…下村勇二
  • 脚本…佐伯紅緒
  • 主演…TAK∴
  • 音楽…川井憲次
  • 配給…アルバトロス・フィルム
  • 上映時間…106分

監督を務めたのはスタントマンやアクション監督としても活躍する下村勇二。主演のTAK∴とは自主映画時代からの旧友でもあるそうです。

製作体制としては自主映画にあたるものですが、出演キャストは斎藤工や大塚明夫をはじめとする圧巻の顔ぶれとなっています。

『RE:BORN』のあらすじ

主人公・黒田敏郎(くろだとしろう)は、石川県加賀市でコンビニの店員をしながら、自身を「おじさん」と呼び慕う少女・サチと一緒に暮らしていました。

表向きはどこにでもいる無口な男性のように振る舞う敏郎ですが、実は過去には特殊傭兵部隊に所属しており、驚異的な戦闘能力を持ち合わせていたのです。

ある日、街中で殺気を感じ取った敏郎は、サチを家に帰し単身で自らの命を狙う刺客と対峙。瞬時に撃退します。

ここから、敏郎を取り巻く人間とその過去の因縁が、彼に牙をむくことになるのです。

『RE:BORN』予告編

こちらが、『RE:BORN』の予告編映像になります。短い映像の中で、作中の雰囲気を見事に描き出していました。

作品の要となる超速戦闘も一部観ることができますね。当然、本編のボリュームはこの比ではありませんので、アクション好きの方必見です。

シーンごとの雰囲気の違いや、静かな中に緊迫感を醸し出す演出も見事です。各シーン気になるところがあった方はぜひ、そのまま本編でチェックしてみてください。

『RE:BORN』のメインキャスト

ここで、本作を語る上で欠かせないメインキャストをご紹介していきます。

黒田敏郎 役 TAK∴

本作の主人公であり、コードネーム「ゴースト」と呼ばれた元傭兵を演じたのはTAK∴(本名:坂口拓)です。

1998年から主にアクション俳優として活動しており、2013年3月4日に俳優業を引退するも2014年にTAK∴の名義で復帰し、本作に挑みました。

『RE:BORN』では、伝説として語り継がれている「リボーンゴースト」と呼ばれる傭兵から「ゴースト」というコードネームを付けられるほどの卓越した戦闘能力を持った兵士を演じています。

サチ 役 近藤結良

敏郎と共に暮らす少女、サチを演じたのは近藤結良(こんどうゆら)です。

近藤は本作が映画初出演であり、2020年7月現在は雑誌「二コラ」の専属モデル「ニコモ」として活動しています。

一見、敏郎を「おじさん」と呼び慕う幼気な少女ですが、冒頭から感じる違和感の正体は劇中で明かされていくことになるのでお見逃しなく。

真壁健二 役 斎藤工

敏郎の特殊部隊員時代の同僚にして後輩・真壁健二は斎藤工が演じました。

主演のTAK∴とは『ビー・バップ・ハイスクール』での共演から親交があり「TAK∴としての坂口の復帰作」という本作の趣旨を聞いてオファーを快諾し出演に至ったとのことです。

健二は過去の戦闘で敏郎を庇った時の怪我により車椅子での生活を余儀なくされていますが、依然敏郎への信頼は変わらず、有事の際には敏郎のために戦う姿勢を見せています。

作中で見せる彼の魂の叫びは、共感のあまり泣き出す兵士が多かったとの事です。ぜひ注目してみてください。

アビスウォーカー 役 稲川義貴

敏郎の元パートナーでありファントムに雇われて敏郎を殺しに来る傭兵・アビスウォーカー役は稲川義貴です。

稲川は本来役者ではなく「戦闘者」であり、後述の「ゼロレンジコンバット」という格闘技術の創始者になります。

本作では、驚異的な実力をもつ「ゴースト」敏郎と同等の戦闘力を持った傭兵を演じており、自身の目的のためなら敵味方関係なく排除する非情な面を見せました。

ファントム 役 大塚明夫

本作にて、敏郎を抹殺するために狙う国防軍特殊部隊のボス「ファントム」を演じるのは声優・大塚明夫

声優としてのアニメや吹替の作品だけでなく舞台にも数多く出演している彼ですが、今回は少し珍しい映像でのお芝居を観ることができます。

本作の「ファントム」はゲーム『メタルギアソリッドVファントムペイン』に登場する、同じく大塚明夫演じる主人公のファントムに酷似しており、これは監督・下村勇二によるオマージュであるとのことです。

『RE:BORN』におけるファントムは、歴戦の兵士ですら意識しないと術中にはまってしまうほどの強力な催眠術のような力を使い、他人の行動を制御しています。

ゼロレンジコンバット

本作を構成する要素の中で最も大きいと言える「アクション」に用いられているのは、「ゼロレンジコンバット」という格闘術です。

「零距離戦闘術」とも言われるこの格闘術は、アビスウォーカー役の稲川義貴が考案したもの。

日本の古流武術やタイ武術、コマンドサンボなど様々な武術の身体操作がベースとなっており、体幹を保持したまま肩甲骨を柔軟に回す「ウェイブ」という技術が大きな特徴です。

作中での敏郎やアビスウォーカーの戦闘はこの格闘術によって行われており、「ウェイブ」による独特な体捌きが妖しくも迫力と魅力を伴った戦闘シーンを作り上げています。

『RE:BORN』制作の裏話

実は本作は制作にあたり、様々な要素が折り重なって公開時の形になっていたことがわかりました。

自主映画の形式で始まった本作ですが、「予算は無いが、魂を込めた作品を作りたい」という制作側の思いで様々な工夫や改良を重ねたわけですね。

裏話その1

アビスウォーカー役は元々、『HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY』など出演の岩永ジョーイが務めるはずでした。

しかし出演舞台のスケジュールの兼ね合いで出演できず、代役として当初アクションのスーパーバイザーとして起用されていた稲川義貴がキャスティングされることになったのです。

このことについて敏郎を演じたTAK∴は、「自分が本気でアクションできる相手がいなかった」と述べており、結果的にアビス役は稲川にしかできなかったとインタビューで語っています。(https://spice.eplus.jp/articles/142584より)

裏話その2

監督・下村とTAK∴は後半のアクションシーンの出来栄えに当初満足せず、大幅な追加撮影を断行しました。

稲川も本来役者側の人間ではないため撮影も当初難航したようですが、半年をかけた追加撮影期間に映画撮影への理解を深め、現在公開されている形に至る擦り合わせが可能になったそうです。

『RE:BORN』を筆者が実際に観た感想

まずはなんと言っても、圧倒的なスピードと正確さで次々と敵を”処理”していくアクションシーンに魅了されましたね。

一般人には計り知れない次元で行われている見えない戦争と、普段の日常を生きている世界観とのギャップが作品の雰囲気を形作っているのを感じました。まさに光と闇です。

これを観て筆者もアクションを習いたくなりました。過去のインタビュー記事にて、

――特殊な経緯と作られ方をしていますが、『燃えよドラゴン』公開当時のブルース・リーの動きのように、ウェイブは真似したくなりますよね。そういう衝撃を与えられるような作品でもあるんじゃないでしょうか。

下村:それは狙っています。観終わったあとに、みんなに肩甲骨を回してもらいたいですね。

(出典:https://spice.eplus.jp/articles/142584)

という内容のやりとりがあったことと併せて、制作陣の思惑通りというわけですね(笑)

『RE:BORN』の世間からの評価

ここで、『RE:BORN』へのネット上での評価をいくつか抜粋してご紹介していきます。

高評価の感想

  • ちょっとこれは他のアクション映画とは比較できない。唯一無二。
  • これだけの熱量を持って撮った作品だから、観る方の心に当然刺さるし、何度でも観たくなる。
  • マジなアクション映画を求めている人にはオススメです。ただ出演者全員の気迫がガチ過ぎて、湿っぽい雰囲気は一切なし(笑)

(出典:https://eiga.com/movie/87343/review/)

制作陣の本気度合いや撮影にかける熱量を感じ取った高評価が目立ちました。本気の命のやり取りに匹敵するものが撮影現場で行われていたというのだから驚きですね。

低評価の感想

  • アクションは間違いなく一級品だが、中盤以降は1時間レベルでずっとアクションで凄い殺陣にも関わらず少し中だるみを感じてしまった。
  • すごい殺陣が延々と観られるんだけど、それ以上何もない。
  • セリフの棒読みが気になるし、ストーリーは地味だし、あんまり面白くなかったです。

(出典:https://eiga.com/movie/87343/review/)

こちらは、アクションシーンにリソースを持っていかれすぎてストーリーが薄いという声が目立ちましたね。

作品の主軸としているのがアクション、「ゼロレンジコンバット」である以上、制作側が見せたいものがそもそも違ったのが主な原因ではないかと思います。

『RE:BORN』の視聴方法

2020年7月現在、『RE:BORN』は2つの動画配信サービスにて定額見放題で視聴可能です。その2つは以下の通り。

この2つのサービス内容はそれぞれ、月額の利用料金を支払うことでサービス内の作品が見放題になるというものです。

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映画『RE:BORN』について【まとめ】

以上が、映画『RE:BORN』の基本情報のまとめになります。

凄まじいまでの熱量と鍛錬を以て全シーンを描き上げた、俳優TAK∴の復帰作『RE:BORN』。本作は最早”アクション”の枠に収まらず、命を懸けた”戦闘”の域に到達していました。

この記事を読んで『RE:BORN』に興味がわいた方はぜひ、本編を観てみてください。極限の闘争がアナタを待っています。最後までよんでいただき、ありがとうございました。

ABOUT ME
伊南地尋
伊南地尋と申します。(旧名クロ) デザイン、動画制作、楽曲制作、脚本・小説執筆などを勉強しつつ仕事にしているニンゲンです。 日本語を愛する者として、わかりやすく、誠実に、時に面白く執筆することをモットーにしています。